2026年10月15日
マグニフィセント7は市場を引っ張れない
米国株式市場は、すでに天井圏に達しています。一部の銘柄だけが上げを引っ張ってきました。そこに変調が見え始めました。この状況では株式市場全体が崩れていくでしょう。今日は、ここをお話いたします。
異常な一極集中の姿
現在の相場を押し上げてきたのは、「AIへの期待」です。もう少し言えば、AIが将来生み出すであろう「利益への期待」です。
時価総額の割合を見ていきます。図表1にあるように、米国の時価総額上位10銘柄はすべてがAI関連企業です。米国ではマグニフィセント7(7社)という銘柄群が有名ですから、この割合を見ていきましょう。図表2です。S&P500で見ると、35%を占めています。世界(1.1万社)で見てもこの7社で16%に達しています。


問題は、この7社を中心としたAI関連企業のPERが高すぎることにあります。図表3で説明します。緑色がマグニフィセント7のPER、青色がそれ以外の493社の平均PERです。7社が493社を大きく上回っていることが分かるでしょう。

7社のPERが崩れれば、一気に下げ相場がやってきます。
もう少し分かりやすくします。サッカーで例えます。平均年収が高すぎると批判されているチームがあるとします。
よく見ると、チーム11人のうち、4人だけが上手なのです。4人は全体11人の36%です。この4人がチームの高給取りです。あとは平均的な選手です。
実は、平均的な選手も、高給取りに影響を受けてやや高めの給与を得ているのです。現状の米国株式市場はそのような状態です。
長期で見ると、本当の姿がわかる
図表4を見てください。真の姿を現すPERです。長期平均は18倍、対して、いまは42倍です。平均の2倍以上ですから、今がどれだけ期待先行の株価上昇であるかが分かるでしょう。

注)真のPERとは何か?長期平均のPERです。一般的なPERでは、過去との比較ができにくいです。理由は、単純なPERでは不景気の時期に大幅上昇してしまいます。実際の例はリーマンショック時です。業績が悪化すると、PERの計算に用いる分母(=EPS)が小さくなるからです。そのようなわけで、真の姿をつかむには、CAPEレシオ(によるPER)という10年平均の指標を見ます。
状況を悪化させているのは、金利の上昇です。米国債金利が5.3%に達しました。過去24年間の最高値です。借りたお金を5%以上の金利で返済しなければいけません。マグニフィセント7はAIデータセンターの設立のために借金が増大中です。
その結果、AI企業の収益は下落方向に向かうでしょう。それが嫌気されてマグニフィセント7のPERが下降方向になっています。一般企業のPERも高くなってしまっていますから、これもマグニフィセント7と同様に下げていくでしょう。持っている株式は手放すべきだというのがぼくの結論です。



コメント
コメント一覧 (1件)
こんばんは、初めましてArasi17です。
私は投資部に入っても資金がないから
株は買えず、金の積み立てのみです
暴落が近いならその時が投資時期ではないですか?林先生