確定申告はする? しない?

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2026年2月10日

投資家のあなたが踏むべき手順

確定申告は2月16日から3月15日までです。 

確定申告は多くの人には不要ですが、一部の人は申告しないと損をします。また、申告してはいけない人もいます。

今日はその判断基準を明確にしましょう。

まずは「診断」から始めよう

あなたが申告すべきかどうか、まずはご自身の口座状況を確認してください。 簡易診断チャート(図表1)を用意しました。これに沿って進んでみてください。

大きく分けて、以下の2つの立場に分類されます。

① 【申告不要の人】

特定口座(源泉徴収あり)の方初心者の9割がこれです。利益が出るたびに税金が自動で引かれているため、何もしなくても問題ありません。

NISAのみの方:NISAの利益は非課税です。しかし、損失が出たとしても、申告できません。つまり、申告する義務もなければ、権利もありません。

② 【申告必要の人】

「源泉徴収なし」の口座(一般口座)で利益が出ている方:

原則として申告が必要です。 ここで注意すべきは20万円の落とし穴です。 「利益が20万円以下なら申告不要」という言葉を鵜呑みにしてはいけません。それは所得税だけの話です。住民税にはその免除ルールがありません。20万円以下でも、お住まいの市区町村への申告は必要です。

「あえて申告する」がお得なケース

さて、ここからが投資家としての腕の見せ所です。 図表1で「申告不要」となった人でも、あえて申告することで税金が戻ってくるケースがあります。

図表2で、ご自身の1年間の成績と照らし合わせてみましょう。

A).利益と損失が混ざっている損益通算とは何か。具体例を見てみましょう。

  • A証券:プラス20万円(税金約4万円徴収済)
  • B証券:マイナス20万円(税金ゼロ)

この場合、あなたのトータルの儲けは「ゼロ」です。 しかし、申告をしないままだとA証券で4万円の税金が取られたままになります。これを申告して合算することで、払いすぎた4万円を取り戻すことができます

B).トータルで負けている(繰越控除) 「今年は通年でマイナスだった」という方も、申告しておく価値があります。 その赤字を申告しておけば、最大3年間ストックできます。来年以降に利益が出た際、ストックした赤字と相殺して、将来払うはずの税金を消すことができます

申告の副作用に注意

ただし、安易な申告は禁物です。ここも重要な資産防衛ポイントです。

口座の利益を申告すると、その分あなたの合計所得金額が増えます。たとえ税金が戻ってきても、それ以上に以下のコストが増える可能性があるのです。

  • 配偶者控除・扶養控除から外れる
  • 国民健康保険料・介護保険料が上がる
  • 所得制限がある制度の対象外となったり、負担額が変わる可能性がある」

特に、専業主婦の方や、自営業・リタイア世代(国保加入者)の方は注意が必要です。 「数千円の税金を取り戻したら、保険料が数万円上がった」という悲劇を避けるため、事前にシミュレーションを行ってください。

ふるさと納税特例の罠

最後に、ふるさと納税を利用している方への警告です。

投資の損益通算などで確定申告を行うと、それまで申請していたワンストップ特例はすべて無効になります。

これはふるさと納税をした場合に、「確定申告をしなくても」税金の控除が受けられる便利な仕組みのことです。

確定申告書を作る際は、必ず「ふるさと納税の寄付金額」も忘れずに入力してください。これを忘れると、税金が安くならず、ただ地方に寄付をしただけになってしまいます。

書類は7年間保管

申告の方法は、スマホで完結する「e-Tax」、「紙提出」、どちらでも構いません。ご自身がストレスなくできる方を選んでください。

税務署はe-Taxを好みます。署内でデータ入力をする手間が省けるからです。すべてのデータを入力するのは厄介なので、重要な個所のみ入力します。ということは、税金を取られる立場からすれば、紙提出が優れているということになります

そして、申告が終わっても、証券会社から届く「年間取引報告書」は捨てないでください。 税法上の義務や後日の確認に備え、7年間は保管しておくのが投資家の作法です。

やや詳しく解説します。

税務署が「あなたの過去の申告に間違いがありましたよね?」と指摘できる期間(時効)は5年です。ただし、税務署が「これはワザと隠したな(脱税・偽装)」と判断した場合、調査できる期間が最大7年まで延長されます。 つまり、「自分は潔白だ」と思っていても、万が一の疑いをかけられた時のために保管しておくのです。7年前の書類までサッと出せれば、身の潔白を完全に証明できます。

なお証券会社の年間取引報告書は、1月中旬〜下旬には皆さんの元に送られています。対面の証券会社をお使いの方は郵送で、ネット証券をお使いの方は多くの場合データで交付されています。

どちらもすでに届いている方がほとんどですから、確定申告をする方は、まずはお手元に年間取引報告書を用意するところから始めてみてください。

コメント

コメント一覧 (2件)

  • 公平な徴税を図ろうとして仕組みがややこしくなってしまったのでは本末転倒であり「その気がない」と思われても仕方がない。

  • eTaxを利用しての確定申告、無事終了しました。
    VIXで出した損失を計上。
    SBIとIG証券で入れる箇所が違いましたね。
    個人事業主なので、何年か後に金や銀の利益確定をする年は、うまく考えながら申告しないといけないなと実感です。

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