先物・CFDの取引について多く寄せられる質問が三つあります。今日はそれをご紹介しましょう。
➊取引に必要な時間:1日5分~10分程度
取引にかかる時間は1銘柄あたり5分~10分程度です。1日で最高で2回発注することがあります。
(1) 朝が発注の主要時間
米国市場に上場する銘柄を取引する場合の例を挙げます。朝が発注の主要時間
米国冬時間においては、朝7時(日本時間)に前日の取引が終了します。この時点での取引の有無・損益を確認します。利益が出たのか損失が出たのかによって、当日のトレード方針が異なってきます。
当日のトレードは1時間後の午前8時です。8時に初値の値段を見てから買い注文、売り注文を発注します。なお、8時開始直後に注文をするのがベストですが、通常、夜間取引(日本の昼間は米国の夜)は出来高も値動きも小さいため、日本の夕方までに注文しても問題がない場合がほとんどです。
これらをすべて含めて、ぼくは1銘柄当たり5分ぐらいかかるのではないかなと思います。なお、米国夏時間にはここから1時間早まります。つまり、前日のトレードが日本時間午前6時に終わり、当日のトレード午前7時から始まるということです。
朝方に前日トレードの確認し、当日トレードの方針決定をする時間的な余裕のない方は、先物・CFDトレードは無理だと考えてください。一般的なオフィスの時間(午前9時~午後5時)にトレード状況を見る必要は普通はありません。

(2)損切りの有無を確かめる
トレード(出来高)が米国市場で活況となるのは、日本時間で夜の9時から11時くらいからです。このあたりで一度状況を見ることにします。損切りになっている場合は、新しい手を打つことになります。損切りはあまりありませんから、この時は状況を見るだけに終わることが多いです。
これらの朝晩両方の時間を合わせると10分程度になるかもしれません。
❷必要な資金(証拠金)はどのくらいなのか。
最低300万円程度は必要ではないかというのがぼくの見解です。これについて、例を挙げながらお話しましょう。COMEXに上場している金先物(マイクロ)を1単位取引するとします。
金価格 2600ドル
損切り 1.3%幅
為替 1ドル150円
という前提で話を進めます。金価格が2600ドルから1.3%(33.8ドル)下がった時点で損切りです。これがトレードにおける最大損になります。損切り価格は2566.2ドルになります。
マイクロ金の場合、倍率が10倍ですから338ドル(50,700円)の損となります。この損失に対して、どの程度の証拠金を用意するかがポイントです。
適切な証拠金は、最大損失が与える影響が資金全体の1%から1.5%で済むようにすることではないかと考えています。338ドルを1%にするには、33,800ドル(507万円)の証拠金が必要で、1.5%にするのは22,533ドル(338万円)の証拠金が必要ということになります。
勝ちトレードについても見ておくことにしましょう。1回あたりの勝ちトレードが平均1%だとします。つまり、2600ドルの金価格に対して26ドルの利益が出るという仮定です。倍率が10倍ですから、1回あたりの利益は260ドル(39,000円)になります。260ドルが勝つたびに毎回積み上がっていくことになります。一回当たりの利益は少ないようですが、取引回数が多いので、利益はすぐに積み上がっていきます。
証拠金の大小によって、勝ちトレードに金額の変化はありません。インパクトが違うのです。同じ3.9万円の利益でも証拠金が507万円の場合と338万円の場合では、証拠金に対するリターンが異なってくるということです。
リターンの観点からは証拠金が小さいほどいいのですが、取引の安全(資産の安全)の観点からは証拠金が大きいほどいいです。重視してほしいのは取引の安全です。

❸利益は株価暴落時に巨額になる
先物・CFDトレードは、相場状況によって大きく儲かる時期と大きく損失が出る時期とがあります。株価の暴落が始まると、株式だけでなくすべての金融商品の値動きが日々大きくなります。先物・CFDは、価格が上がるにしろ、下がるにしろ、大きな値動きのもとで利益が巨額になる性格です。
つまり、株価暴落期が、先物・CFD取引に最も適しています。その時期は近いです。こうした時期が訪れるまでは、ルールを確実に覚え、ペーパートレードだけで様子を見るのがいいでしょう。

コメント
コメント一覧 (7件)
みなさん。
損切り1~1.5%の理由は、昨年ここで詳しく説明していただいていますよ。
トレードの極意 ”ちびちび賭ける”
https://twitter.com/Sakura_Invest/status/1696077739965772242
リンクへ飛んだら、さくらインベストにたどり着きましたけれども? それでよかったんでしょうか?
私、ここに登録してましたね
先生とどういう関係なんでしょうかね?
大事なのは林先生のノウハウ取得です。
私はこれまでの様々な発信を総合的に見ています。(^^)
僕の発言に僕の話に真剣に耳を貸してくださってありがとうございます。
動画での講義や毎日の『今日の気づき』を通じて
皆さんの投資脳を育てていくつもりです。
質問があったらいつでもお寄せになってください。
お疲れ様です。その日に上がるのか下がるのかは、自分自身で判断する必要があるのでしょうか。
ゴールドであれば毎回上がるほうにかけても問題ないのでしょうか。
毎日の値動きを見ながらみてみます。日本円で取引する場合為替もあるので難しそうな気がします。
CFDと先物は異なる経済方法で、 CFDは初心者に向いていそうで、先物は中級者以上が手を出す取引だと思いますが、一括りに話させている理由を教えてください。
CFDが初心者に向いている点としては、
その倍率が低い事にあります。
これに対して海外の先物は倍率が異常に高いです。
つまり1Tickの違いで
大きな損失や利益が出るという事です。
しかし取引の仕組みは全く同じです。
DFDの問題点は手数料が非常に高いことです。
証券会社は取引所対する手数料を払うのが嫌で
CFDという新たな物をつくりました。
これによって各社各様の手数料を徴収する事ができるようになりました。
CFDで取引する場合は手数料の安い証券会社を利用する必要があります。