2026年7月23日
暴落時は大手よりネット銀行が強い
安全な銀行というと、大手銀行のイメージが強いかもしれません。しかし、大暴落発生時には、大手よりネット銀行の方が安全です。今回はこれについてお話しします。
債券価格の下落は致命傷
銀行にとって最大の問題は国債価格の下落です(利回りの上昇です)。一般的に、国家がデフォルトすると債券の価値はゼロになります。日本政府は最終的に債券のデフォルトを強いられるようになるでしょう。
どのような銀行が強いのか?ネット銀行に限って比較します。SBI新生銀行はネット銀行ではないですが、この表に加えています。
図表1を説明します。イオン銀行を例にとりましょう。3679億円の国債があります。これが価値ゼロになるとします。銀行の営業からの利益が全くないとしたら、自己資本を取り崩すしかありません。自己資本は2778億円ですから、これでは足りません。国債の損がカバーできる割合は76%になります。(3679を2778で割った数字です。)

この比率が大きい銀行ほど安全です。100%を超えているのは、オリックス銀行から左から数えて4つまでの銀行で、これらは安全だということになります。それ以外の銀行は100%未満ですが、実際には毎期の利益があることや、いざとなれば、親会社からの資本注入も期待できます。これらも日本の国債に対しては安全だと考えていいでしょう。
図表2に進みます。日本の国債だけでなく、外国債の割合も見る必要があるということです。日本がデフォルトするときは米国やG7諸国も同時にデフォルトします。正確に言うと、日本は米国に促されて同時にデフォルトをさせられます。ですから、外国債の割合も知っておく必要があるわけです。

ただし、ここでの外国債は公表の数字の半分を入れました。外国債の中には会社債も含まれます。こちらはデフォルトしません。しかし、外国債というカテゴリーの中で、どの程度が国債なのか会社債なのかは開示されていません。そこで半分だと仮定しました。
この仮定をもとに債券カバー率を計算すると、100%を超える超安全な銀行はオリックスとセブンのみになりました。その次はペイペイの53%、イオンの46%という順番になっています。
ソニーの19%がやや低いですが、これらの企業は皆親会社からの支援が期待できます。仮に楽天銀行の自己資本がマイナスになりそうになった場合は楽天が資本金を補填するでしょう。そうでないと楽天本体が事業を継続できなくなるからです。
これに対して、破たんが決定的になってしまうのが大手銀行です。図表3です。債券カバー率が低いです。しかも、支援をしてくれる親会社がないからです。

お金持ちも庶民も大損をする
「いざとなったら、預金保険がある」と思っている人は楽観的過ぎます。預金保険機構には5兆円の資金しかありません。これに対して機構が保護しなくてはならない預金は1300兆円あります。全く足りないというのが実情です。
ペイオフ(1000万円までの預金保護保証)は事実上崩壊していると思ってください。つまり、1000万円以上の預金があるひとはもちろん、それ未満の人でも、銀行破綻時には、預金は大きく収奪されることになります。例外が倒産しないネット銀行だというわけです。
もちろん最も安全なのは、できるだけ資産の多くを金に替えておくことだというのは言うまでもありません。



コメント
コメント一覧 (4件)
目から鱗でした。確かに大手銀行よりネット銀行の安心感が見えました。オリックス凄い気がします。
買ったことがないので質問しますが、金を田中貴金属で購入した場合、現物の金を受け取るのか?現物は持たないけど口座に何グラムまた何キロ保有となるのでしょうか?
また、店頭に行けば現物を引き出す事は可能ですか?よろしくお願いします。
林先生
こんにちは♪
銀行についてのコラムを読みました。埼玉県に住んでいるので、何の疑いもなく埼玉りそなを利用しています。あと、ゆうちょ銀行です。
今後、資産が増えた場合、ネット銀行にたとえばセブンなどに入れといた方が安全でしようか?
ソフィアさん、こんにちは。
暴落が起きた際の安全性でいえば、りそなやゆうちょに比べると、やはりネット銀行の方が上です。
どちらもネット証券とは比較にならないほど巨額の国債を保有していますし、りそなは支援してくれる親会社もありません。
ただ暴落が起きた時の安全性と、あなたにとっての利便性は、また別の問題として考えましょう。
ネット銀行はコンビニなどのATMで入出金ができますが、通帳もなければ、大手銀行のように窓口もありません。
ATMで1日に出し入れできる金額も、上限が低めに設定されている場合があります。
通帳記帳などが要らず、スマホアプリでいつでもどこからでも振込ができるなど、慣れてしまえばネット銀行も便利ですが、それでもやっぱり「慣れ」は必要です。
最初からネット1本だけにしようと考えなくても大丈夫ですから、口座を作って実際にお使いになってみてから、あらためて資産の置き場を考えてみてください。
一番安全なのは、できるだけ多くを「金(ゴールド)」に変えていただくことですが、そうは言っても現金はゼロにはできないですからね。