2026年10月18日
米国債売りが暗示するドルの終焉
米国の金融覇権は崩れつつある
今日は、いま世界の金融経済で起きている最も重要な事態、すなわち米国債の投げ売りについて話をします。
各国の米国債離れに関する報道の増加
米国債を手放す動きが世界中で連鎖的に広がっています。図表1をご覧ください。

2026年1月、デンマークの年金ファンドも明確な売却方針を提示しました。2026年9月4日には、世界有数の規模を誇るノルウェー政府系ファンドは、国債の投資基準を見直しました。米国債の保有をおよそ800億ドル(約12兆円)減らす方針です。
保有残高を削減する日中
この動きは単なる一時的なニュースではありません。長期的データを見ても売却の実態は明らかです。図表2をご覧ください。

- 日本: 保有残高はピーク時の1兆3,255億ドルから1兆1,039億ドルへ、17%削減しました。 (2021年11月〜2026年7月)
- 中国: ピーク時の1兆3,167億ドルから6,180億ドルへ、53%減となり、半分以下まで激減しています。 (2013年11月〜2026年7月)
買い手探しに難航するベッセント財務長官からの圧力により、日本政府は表立って大規模売却をしにくい立場に置かれています。しかし、為替介入の原資確保などを名目に、実際の取り崩しはすでに着実に行われています。
中国が握る金融核爆弾
外国人全体の米国債保有割合も大幅に低下しています。図表3をご覧ください。

米国政府の借金全体に占める外国人の米国債保有割合は、2013年のピーク時には34%ありました。しかし、2026年第1四半期には24%まで低下しています。ピーク時と比べると、30%もの減少です。
海外勢全体の米国債保有額も2カ月連続で減少しています。脱米国債の流れは、もはや止まりません。
日本以上に注視すべきは中国の動向です。
公式発表データを遥かに超えるドル建て資金を隠し持つ中国が、本気で米国債の売却に動けば、それは「金融核爆弾」となります。世界中の資金の土台となっている米国債が暴落し、アメリカによるドル支配が終わりを迎える決定的なトリガーとなるのです。
異常事態を示す「米財務長官の狂乱」
この猛烈な米国債売りの連鎖に対し、米国はパニックに陥っています。
2026年10月7日付の米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙は、ベッセント米財務長官が財務省内で怒鳴り散らし、部下を罵倒する異常事態を報じました。彼の狂乱の原因は、各国の米国債投げ売りによる金融崩壊への恐怖です。彼は「俺が胴元(ハウス)だ」という下品な言葉で恫喝し、なんとか米国債を買い支えさせようと必死に圧力をかけているのです。
米国からのゴールド引き揚げ
米国債という「紙の資産」への信用が崩壊する中、世界のスマートマネーは金(ゴールド)へ一斉に向かっています。その証拠に、欧州各国が米国に預けていた現物の金を自国へ持ち帰り始めています。
2026年9月2日、オランダ中央銀行は、ニューヨークとオタワで保有していた金のうち86トンを、3月から8月にかけてロンドンへ移したと発表しました。
フランス中央銀行も、2025年〜2026年初めにかけて、ニューヨークにあった129トンの金を売却し、同量を欧州で買い直しています。「いざという時、米国に資産を置いておくのは危険だ」という世界的な共通認識がすでに形成されています。
米国の債券安(金利高)が進めば、やがては株価安や為替安につながります。年末までにはこれら三重苦が米国を襲うようになるでしょう。
私たちが取るべき行動は明確です。金を保有することが最善のリスク回避策であり、儲け拡大策となります。



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