為替介入は市場に勝てない

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2026年5月13日

役人が介入するのは偉ぶるため

為替介入を行うことによって、円高へ動かすことができます。しかし、これは一時的な対策に過ぎないのです。為替介入は市場の流れに勝てないことが多いです。今日はこの話を深掘りします。

為替介入とは、行き過ぎた円安などの急激な動きを止めるために、国が巨大なお金を使って、市場で通貨を直接売り(または買い)することです

先日、ゴールデンウィーク中のドル円相場で異常な動きがありました。図表1をご覧ください。ドル円相場の推移を表したグラフです。

赤枠で示した2か所は、4月30日頃が約5円の円高、5月6日頃が約2円の円高となっており、為替介入があったと市場では見られています。今回の為替介入では、9~10兆円規模の資金が投入されたと推測されています

介入は国家財源の無駄遣い

では、介入は本当に有効な手段なのでしょうか?過去の為替介入を見てみましょう。図表2をご覧ください。赤枠で示しました。

2022年の9月と10月で、計3回の介入が行われました。投入金額は9兆円規模です

介入直後は円高が進んでいますが、結果的には約1年で介入時の相場以上に円安が進行してしまっています。9兆円という巨額な資金を投じても、根本的な流れは止められないのです

この介入で日本政府はどのくらい損をしているか見てみましょう。

当時のレート 1ドル=約145円

現在のレート 1ドル=約160円

当時の約9兆円の介入では、政府が持っているドルを売って、円を買いました。そのため、1ドル=145円で計算すると、政府は約620億ドル手放したことになります。このドルを現在も持っていたらどうなっていたでしょうか?

160円-145円=15円

15円×620億ドル=約9,300億円

約9,300億円の差額が出ることになります。つまり、約9,300億円の損をしていることになります

他国の有名な事例は1992年に起きた英国ポンド危機です。図表3をご覧ください。

この事件では、投資家のジョージ・ソロス氏を中心に、市場で大規模なポンド売りが発生しました。赤枠で示した部分です。もちろん英国政府は、ポンドの価値を保つために全力で為替介入を行いました。しかし、この抵抗も長くは続かず結果的に2ドルからわずかな期間で1.6ドル近くまで下がってしまいました

市場を操れるという国家の幻想

このように為替介入とは、夏の暑い部屋に巨大な氷を持ってきて暑さ対策をしているような状態です。氷を置いた最初は涼しくはなりますが、時間が経つにつれて段々と暑さが戻ってきてしまいます。

ここで大事な教訓は「政府は馬鹿だ」ということです。自分たちが何かできると信じ込んでいるのです。市場の力はとてもなく大きいです。危機が来た時に自分たちが対処できると考えているのでしょう。全くの空想だと言わざるをえません。

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