昨日12月18日のNYダウ急落(―2.6%)S&P500の急落(―3.0%)を受けて、
今後の相場展開についての予想を更新しました。
今日はこの話をいたしましょう。
図表1がニューヨークダウの過去のチャートです。

このチャートの中に安値を付けた地点に、矢印をつけておきました。
安値が切り上がって来ているのがわかるでしょう。上昇相場が続いてきた証拠です。
これに対して、
昨日の大幅な急落により、NYダウの株価が直近の安値(11月4日)に近づいてきました。
この安値を割った場合は、天井が確定することになります。
NYダウは、もとより天井を打つ可能性が高くなっていました。
それを表したのが図表2です。

これはファンドマネージャーの買いポジションです。
ファンドマネージャーが買い上がって、その比率が80%を超えると、相場が軟調になることが通例です。
買いが80%ということは売りが20%ということであり、
その後に買うマネージャが少なくなってしまっているからです。
(講義動画で詳細を語っています。)
過去、最もファンドマネージャーが買い上がったのは、リーマン・ショックの直前でした。
この際、93%までファンドマネージャーは買い上がりました。
現在は史上2番目の高さで、89%まで買い上がっています。
ただし、この統計の使い方には注意が必要です。
長期統計ですので、「数ヶ月以内に相場に軟調になる可能性」を知らせるものです。
これに対して、短期的なトレンドを示すのが騰落レシオです。
図表3です。

騰落レシオの定義は、
「日々の上昇銘柄数から下落銘柄数を引いたものを毎日足し合わせて計算する」というものです。
これについても、動画講義の中で詳しく語っていますので、今日は省略します。
この騰落レシオを見ると、ここまでは底値が切り上がってきたのがわかります。
矢印の位置が上がっているからです。
しかし、昨日、この騰落レシオは、11月4日の底値を割ってしまいました。
つまり、相場が軟調に入ったということを示しています。
こうしたことを総合すると、
今後の展開については二通りを考えることができます。
・悲観シナリオ(シナリオ1)
今後すぐに11月4日の株価を割った場合、天井が確定します。
つまり12月4日につけた45,000ドルが最高値だったということになります。
今後、長い下落相場が始まることになります。
・楽観シナリオ(シナリオ2)
これに対して楽観シナリオには、ここからいったん株価が上昇に転じるというものです。
ただし、その後、また軟調な展開が始まります。
今回の12月4日から始まった下落相場の底がいくらになるかはわかりませんが
(あと何日下がるかわかりませんが)、
その底を再度株価が割った時点が下落相場の始まりとなります。
この場合、下落相場の始まりは一、二ヶ月先にずれることになるでしょう。

いずれにしても、近いうちに、NYダウの天井が確定する見込みになりました。
コメント
コメント一覧 (18件)
トランプ政権になろうとしてるなか、来年は強気相場の解説をテレビ等では耳にするのですが、下げなのですね。
これから、積極的に金を仕込んでいきます。
テレビの言っていることを真剣に耳をそば立ててはいけません。
テレビの出演者たちは、投資で儲けた経験がない人たちばかりですから。
ヤバいですね。
「1年くらい時間はあるか」と考えていたのですが、あまり猶予はなさそうですね…。
各方面、手仕舞を急ぎます。
下げ相場はいったん始まると、ものすごい勢いで下がっていきます。
今から少しずつその準備をしていきましょう。
ダウの切り下げを見る事が出来る事。林先生の指導を受けている事。震える自分がここにいる。何も解らず迷子になりながらここにいる。70歳ではじめてまともな事が出来る。有り難うございます。
今まで見たこともないような厳しい世の中がこれから展開されると思います。
多くの人にとっては大災難かもしれませんけれど、
私たちにとっては大チャンスでもあります。
人の不幸を見るのは苦しいですが、
一方これだけ多くの大きな変化を見るチャンスは
一生のうちそれほどありませんから、
すばらしい機会がやって来たと思って人生を楽しみましょう。
林先生が大変な時代が来ると今まで当たり前のように上がると思われる積み立ても下がりはじめの気配も有ります。せっかく投資部で株を始めたのに撤退すべきなのか迷っています。御指南くださればありがたいです。
せっかく株をはじめたのに撤退するのはなかなか勇気がいりますよね。
それでも僕は株式投資からは足を洗うのが一番いいと感じています。
ここからは金投資に集中していくのがいいと思います
「近いうちに、NYダウの天井が確定する見込みになりました。」という事ですが、これが林先生がいう大暴落に繋がるのでしょうか。現在NISAでS&P500インデックスを運用していますが、手放した方が良いでしょうか。
本日より投資部の講義に参加しましたが、これから先の6ヶ月を待たずして暴落期が来てしまったらどうすれば良いのでしょうか。
大暴落にすぐに発展するということではなく、
少しずつ相場がぐずぐずしてきて、
そのうちに大きな暴落につながるというふうに考えてください。
六か月を待たずして暴落が来てしまったら、どうすればいいのでしょうか?
というご質問ですが、これは何の心配もありません。
その時々に今日の気づきの中で大事なことを示していきますし、
自分の資産運用についてわからないことがあれば、
個別に相談メールを送っていただければ何なりと回答しています。
現在、講義は経済7までしか受けていません。最短で視聴していっても、三日おきなので3ヶ月以上かかりますが、株の空売りの準備に間に合うでしょうか。
株の空売りは大天井から売るものではなく
株価が少し下がりだしてから売るものなので、
一ヶ月以内に空売りを始めるということはないと思っています。
今、金は買い時でしょうか?
買い時の場合は、どの様な金の商品がいいのでしょうか?現物や投資など。
教えていただけますと安心です。
よろしくお願い致します。
すみません。ゴールドの所に記載されてましたね。参考にさせていただきます。
先生
図表1の説明で
「これに対して、
昨日の大幅な急落により、NYダウの株価が直近の安値(11月4日)に近づいてきました。
この安値を割った場合は、天井が確定することになります。」
とありますが、なぜ天井が確定するのでしょうか?
テクニカルのダブルボトムで考えるんですか?
それと、暴落時に空売りをするのは経験がないので、日本株でしますが、底打った場合は、今度は日本株なのかリターンが大きいアメリカ株なのかどちらを手がけるほうがいいんでしょうか?
また後日、学習の場面でお話しされますでしょうか? できたらお正月の暇な間に銘柄を調べておきたいのでお伺いしました。(システムを活用すればよかったのかな。?)
上昇相場においては、安値が切りあがるパターンが続きます。
これを割り込むことで天井をつけたと解釈することができます。
しかし、場合によっては株価が下がる期間が短く、
短期的な天井に終わってしまうケースがないわけではありません。
しかし、現在の経済状況からすると、失業率や小売売上長短金利差といった指標から大天井が近いことが示されています。
こうしたファンダメンタルを踏まえて天井が確定すると申し上げています。
日本株が底を打った場合、米国株ではなく日本株を買うのがいいでしょう。
大底を打つ場合は、経済状況が世界的に滅茶苦茶になっており、海外の市場に手を出す余裕がないと思います。
状況が日々刻々変わる中において、日本と中也が逆転している市場に手を出すのは利口な方法ではありません。
しかし、大底がやってくるのは2,3年後でしょうから
その時、この話は詳しくお伝えすることに致します。
株の空売りより今は金を、淡々と仕込みなさいということになりますね!?
株の空売りの野望は一旦神棚に上げておきます。
株の空売りは、そうした取引に長けた人にまかせておいて、
一般の方はゴールドだけに集中するのが良いと思います。