ゴールド:地金にするかETFか

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数多く寄せられる質問の中で一番多いのは、ゴールドを購入する場合、「ETFと地金のどちらがいいでしょうか」というものです。今日はこれについて解説しましょう。図表1(ETF)と図表2(地金)にまとめておきました。

ETF:少額投資向き

ETFについてまずご説明します。ETFとはExchange Traded Funds (上場投資信託)のことで、ゴールドが株券のような形になったものです。金そのものは証券市場で取引することはできませんが、株式のような形であれば取引が可能になります。「現代版のゴールド」という言い方をしてもいいかもしれません。

ETFの最大のメリットは、少額投資に最適だということです。例えば金の果実(1540)であれば、12,000円からの購入が可能です。取引コストも最低です。大手証券会社は、ある条件のもとETFの手数料をゼロにしています。株式と同じように、クリックひとつで購入できます。また、新NISAの成長枠対象商品になっています。

ただし、デメリットもあります。これは株式と同じ証券ですので、証券市場が閉鎖になるような事態が起きた場合は取引ができません。

また、自分が取引している証券会社が破綻してしまった場合、簡単には取引の再開ができません。会社の資産と顧客の資産とは通常分離されているので、証券会社の破たんによって顧客がその損失を被ることはないのですが、顧客の資産が別の健全な証券会社に移管されるまでには時間がかかります。それまでは取引することはできません。

同じように、金の果実を管理・運用している三菱信託銀行が破綻した場合、取引再開にも多大な時間がかかるかもしれません。金の果実そのものが破綻することはないとのことですが、新しい運用先が決まるまでは取引が再開できないでしょう。

地金:昔からの蓄財方法

これに対して、地金にはそうした問題が一切ありません。銀行や証券、保険、年金といった金融機関の破綻が起きたとしても、ゴールドそのものはそうした影響を受けることなく、安全確実です。

地金の最大のメリットは、「昔からの蓄財方法である」ということに尽きます。

何千年もの昔から、金持ちはゴールドを保有することによって、その資産を蓄積・拡大してきました。それは、この方法が最も優れているということを知っていたからです。

また、税務署は個人が保有している地金の量を把握することは不可能です。ですから、税務署からの収奪はあり得ません。国家は私達がゴールドを購入した日時やその数量を把握することはできますが、その翌日以降、その地金が誰の手に渡ったのかは全くわかりません。従って、「あなたはO月O日にゴールドをOOキロ買っただろう。それはどこだ?」と聞かれた場合、「忘れました」とか「なくしました」と答える人が出てくるかもしれません。税務署が、「嘘だ」と言い寄ることはできません。証拠がないからです。

ただし、デメリットもあります。ETFのような便宜性がありません。購入には足を運ばないといけません。また、売り・買いのスプレッド(価格差)があり、100グラム未満は手数料が必要です。つまり、ETFに比べて割高です。

また、盗難のリスクもあります。

これらを考慮した上で、どちらが自分に向いているかを考えて投資対象を決めてください。

コメント

コメント一覧 (26件)

  • 私にとっては金の現物は高嶺の花です。
    ですから、やるとすればETFになるのかな
    と思います。
    まだまだ上がるとするなら、兄弟に勧めようかなと思います。
    ただ、乗ってくれるかどうかは怪しいですが。

    • ETFは最も少額から取引できるゴールド資産です。
      一単位は約1万2千円からできるので、これを利用しない手はありません。
      手数料もほぼゼロにすることができます。
      ぜひここから財産を築いてください。

  • 林先生のご説明で地金、E TFのメリット、デメリットについてわかりました。純金積立についてのメリット、デメリットについても教えて下さい。

  • お世話になります。1540は、どのタイミングで、購入したら良いのでしょうか?
    これまでの講義で,分散投資が良いとのことですが、上がり傾向にある今、下がっては買い,下がっては買いをしていますが、平均取得金額が上がって行ってます。ならば、平均取得金額より下がるまで待つべきでしょうか?
    買いそびれてしまう気持ちもあり、少しずつ購入していますが、どんどん平均取得金額が上向いてます。ご教示お願いします。

    • ゴールドの買い方ですが、一番大事なことは
      1か月とか2か月とかに、一度ずつ買うという方法をとることです。
      価格についてはあまり関心を持たないのが良いでしょう。
      現時点で、現在価格よりコストのほうが上がっている状態(損失が出ている状態)のようですが、
      ゴールドは長期的には現在の価格の3倍にはなるでしょう。
      目先のことにとらわれて心を痛めるのが一番良くありません。
      1、2か月に一度買うのであれば、安い価格で買うことができたり
      反対に高くなってしまったりすることもありますが
      全体としては、市場価格並みに買っていくことができると思います。
      そのようにしてゴールド資産を増やしていけば、
      ゴールドの価格上昇時に大きな利益を得ることができます。

  • 有難うございます。Goldの購入方法が、一番の関心事でした。分散投資で購入時期を決めてトライしたいと思います。とはいえ、金地銀100g以下は、手数料が取られる!ですか。手数料の対象範囲を下げて50gとかに、何とかならないのでしょうか?金地銀の販売は、富裕層の対象商品なのですね。愚問でした。失礼しました。笑ってやってください。

    • 少額投資の場合はETF1540が最適かもしれません。
      取引コストがほぼゼロだからです。

    • Emaj-Hagi様
       いつもコメントを拝見させて頂いおります。
       私は、私たち庶民こそが必ず一部はゴ-ルドの本物のインゴット(地金)を手元保管すべきだと考えております。もちろん盗難や火災のリスクがあるので全てを手元保管すべきではありませんが。
       私は資産が少ないのでゴ-ルドを購入したら他に資産が残りません。それを全て預けてしまって、もし、それが預けた会社や銀行から引き出せなかったらすぐに生活に困ってしまいます。富裕層は他にも資産があるので困らないと思いますが、特にこれから株式市場の大暴落、預金封鎖が起きた時場合には十分その可能性があります。
       私も良く購入している日本マテリアルという会社では、インゴット(地金)に100gまでは、販売手数料かかりません。50gでも販売手数料僅か1100円です。20g、10g、5gも販売手数料1980円で販売しております。郵送もしてもらえます。下記を参照下さい。

       日本マテリアル手数料 又は

       material.co.jp で検索してみて下さい。
       

    • その通り、少しずつやっていくのが一番失敗の少ない方法です。
      わからないことがあったら、またいつでもご相談ください。

  • ミツビシマテリアルで毎月定額積立、年2回少し纏めて購入するオーソドックスなやつを始めましたがある程度の量になったら引き出して自分で管理する方が良いのでしょうか?盗難や火災など心配ですがご指導お願いします。

    • 純金積立の最大のリスクは政府が行うかもしれない
      資産税の対象となりうることです。
      ただしこれは可能性に過ぎず、僕はその確率は高いとは思っていません。
      一定量の金を引き出せば、自分で管理する心配があるあります。
      ただし、資産税からは完全に逃れることができます。
      また、引出しに当たってはある程度の手数料を払わなければなりません。
      こうしたことを考えた上で、引き出しについて検討してください。
      具体的に話を進める前に、僕のアドバイスが必要であればメールを送ってください。

  • 1540をnisa買いをすれば良いのでしょうか、先生はどこかでnisaを推奨されて無い印象だったんですが。

    • Nisaで1504を購入することで問題はありません。
      僕は全体的にNisaを推薦していないような発言をしていますが、
      これは株式投資やオルカンなどを購入することについての話であって
      ゴールド投資についてはその例外になります。

  • お世話になります。
    私は金を積立、現物(少し)で所有しております。
    積立をそろそろ現物に換えようと思いますが、保管場所で悩んでいます。銀行の貸金庫は怖いですし、家もなんだか心配です。何処か良い保管場所ないでしょうか。

    • ノンバンク(倉庫会社)の貸金庫のほうがやや安全だと思います。
      ただし、倉庫会社の貸金庫はほとんど埋まっている状態で
      あいているのは東京の国立市にある国立倉庫くらいかもしれません。
      倉庫会社が銀行の貸金庫に比べてやや安全だと思う理由は、貸金庫担当者の数が少ないことです。
      倉庫会社では貸金庫事業に携わる人数が少ないのに対して、銀行業で貸金庫に携わる社員の数は圧倒的に多いです。
      仮に、犯罪に手を染める人の割合が1000人に一人だとした場合、
      貸金庫業では確率がほぼ0なのに対し、銀行業では1人、2人いることになってしまいます。
      僕が考えうる根拠は、この程度です。

    • 私もspider様と同じようにゴ-ルドの保管場所のことで大変悩んでおります。以前は、spider様と同じように80%以上を純金積立で保管しておりました。貴金属会社は、年2回の外部監査を実施しており自社金庫で保管していると回答しておりますが、それを自分の目で確認してない心配と、今後財産税の心配もあるので、現在は、純金積立、貸金庫、そして「自分の手元」と3つの保管方法にしております。今後、もし、株式市場大暴落が起きたら「自分の手元」で保管する割合を増やそうと考えております。やはり、他人に任せておけば安心だとは思いませんから。spi d er様、参考にして頂けましたら幸いです。

  • 返信ありがとうございます。
    やや安心なんですね。
    やはり純金積立のままにしておいたよさそうですね。

    • spi d er様
       コメントが遅くなってしまいましたが、お時間がございましたら上記の私のコメントも御覧頂けましたら嬉しいです。特に今後、株式市場の暴落が起きた場合には、参考になるかもしれませんので。

    • 正直なところ、どの保管場所・方法が安全かがわからないため、「卵を一つの籠に盛るな!」の諺からヒントを得て、保管場所・方法を現在リスク分散のを図っています。今後の世界情勢・日本国内情勢を冷静に分析して常に大切なものを守るために努力を続けるつもりです。

  • ご指導ありがとうございます投資信託3銘柄アジア半導体野村ブルベアアドビを持つておりますかなり下がり不安になりました証券会社のお薦めですが!先生のお話の中からゴールドに切り替えたいと思います買い方先生皆様の投稿してくださいましたのでまねて買いたいとおもつておりますが
    初めてなのでどこの会社で何から買えばよろしいでしょうか
    またいつ位ごろまでに買うのがおすすめでしょうかご指導宜しくお願い致します。

  • オンサイトでデフォルトの可能性を学びました。預金はペイオフを考慮して小口に分散しても限度があるでしょうから、やはり金を現物で持っているのが不安定に備えるには一番なのでしょうか?

    • 金の現物を持つことは、古代から多くの金持ちが行ってきたことです。
      金持ちが、蔵の中に江戸時代の通貨を蓄えているといったことは聞いたことがありません。
      彼らは先祖代々、金を蓄えてきたのです。
      同じような方法が私たちには一番良いと考えます。

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