安い時に買い増すチャンス
今日は、NY時間2025年4月6日の金価格の急落の理由についてお話しします。2024年11月6日ニューヨーク金先物市場で価格が79ドル下がって、前日の2750ドルから2671ドルに下がりました。下げ幅は2.9%です。この理由は、トランプの勝利によるニューヨーク株式市場の上昇です。NYダウは、1508ドル上がって47,730ドルとなりました。3.6%の上昇です。
これだけ大きく株価が上昇すると、投資家の多くが、「ゴールドを売って株を買おう」という動きに出ることがあるということです。
しかし、もうひとつ重要な理由があります。それは機関投資家の金の買いポジションです。図表1を見ればわかるのですが、機関投資家買いポジションと、金相場とは逆相関をしています。
つまり、機関投資家の買いポジションがピークとなった場合、相場が下げに入るという傾向が見てとれます。また逆に、機関投資家が買いポジションを全て売り払い、純粋な売りポジション(空売り)に転換すると、金価格が底値となって上昇が始まります。
具体的に図表1を見てみましょう。

黒丸で示したところが、機関投資家の買いポジションのマイナス(つまり、空売りポジション)のところです。すなわち、機関投資家が空売りを始めると、直近の底値となり金価格が上昇に転じています。
これに対して、青丸で示したところが、買いポジションのピークに当たるところです。この直後、もしくは少ししてから、金価格が低下局面に入っていることがわかります。
直近の機関投資家の買いポジションは赤丸で示しました。買いポジションの高さが過去に比べても、決して引けを取らないレベルになっています。つまり、機関投資家がここまで買いを進めてしまうと、「これ以上の価格で買おう」という機関投資家が少なくなり、需給の観点から価格が下がってしまうのです。
昨日の79ドルの下げは、こうした機関投資家のポジションによるところが大きいと思われます。別の言い方をするなら、こうした下落相場が当面続く可能性はあります。ただし、これはどちらかというと、数ヶ月単位で見た短期的な金価格の流れです。
今日は、図表を載せませんが、金の需給に最も詳しい鉱山会社は未だに売りポジションを増やしていません。つまり、これからまだ価格が上がることを見越しているので、先物売りのポジションを積み増していないのです。これが金価格長期の姿を示しているといえます。
しかも、「NYダウが大幅上昇した日に、金価格が下がった」というのは、私たち金投資家にとっては、喜ばしいことかもしれません。逆に、「NYダウが下がれば金が上がる」という見方ができることになります。
これから大きな株式市場の下落を予想しているのですから、その際に、金価格が大幅上昇する可能性が高いと言えるかもしれません。こうした状況を踏まえて、皆さんは金価格の安いときに少しずつ買い進めていくことをおすすめします。
なお、図表1は重要な図表ですので、毎週更新してシステム内に表示しています。
コメント
コメント一覧 (11件)
ありがとうございます。11/7金価格$245.36まで下がりましたので金ETFを10万円ほど追加購入しました。できるだけ安値で購入できればと虫の良いことを考えています。投資歴3年弱の私ですが、今後の金価格の下落傾向を知る手立てを教えていただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。
萩原さん
安く買う事が1番大事ですが、
いつが1番安いかは前もって分からないので、
時間を少しずつ開けて買うのが1番利口な賢い方法です。
為替水準も勘案して押し目を拾いたいと思いました。タイミング、目処値、考え方のヒントがあれば教えて頂きたく。
永井さん
金(GOLD)を安く買おうと、安値を意識して買おうとする場合には、
為替を考えずに、NYドルの価格をみて考えるのが1番いい方法です。
その際、テクニカル分析などもありますが、ある程度の経験が必要ですから、
期間別に分けて買うのが1番いい方法です。
例えば、1か月ごとに分けて買う、3か月ごとに分けて買う、といったやり方が
1番いい方法です。
有難うございます。今のところ、米ドル建てのETFで少しづつ購入してます。このETFは、経費率0.40%ととかかるので、日本円で田中貴金属かSBI証券の積立にすべきか、どちらかが良いか迷ってます。可能でしたら教えてください。宜しくお願い致します
米国建てのETFをやめて、二本立てのETF化またはええ積み立てにするのがいいです。
この理由は、自分の資金はできるだけ手元のに置いておいた方がいいという意味です。
米国は遠いです。
嵐があったときに自分が避難すべき場所はやはり自宅でしょう。
よく知っているところが安心できるからです。
運用についても同じで大きく株が暴落するような場合は、
日本にお金を置いていくのが最善です。
コストの問題は二の次です。
ありがとうございます。昨日11/15、待ちに待った先生のオンライン講座を視聴させていただきました。講義に中で金(GOLD)の3通りの購入方法について、大小関係で分かりやすく触れていただいたので、これを念頭に購入計画を練りたいと思いました。これまでの悩みが解決できてスッキリいたしました。次回の講座も心待ちに楽しみにしております。
米国株の推奨を受けて購入しましたが、ほとんど売りました。が、購入時より円高のためドルで保有しています。為替損を出してもそれ以上儲ければいいですね。ご指導よろしくお願いいたします。先ずは金投資をします。ETFは、現物ではないですよね。4万円になったら売るのであればETFの方がいいのでしょうか
ETFか純金バーを選ぶ選択肢のひとつが税金です。
仮にそれ以外の所得が全くない場合についてです。
5年未満の保有の場合は、900万円以上の利益がある場合は、ETFの方が所得税・住民税が有利になります。
やや詳しく述べると、ここから金価格が4倍になるとしたら、現在300万円で買った金は1200万円になります。
これは900万円の利益をもたらします。
300万円はだいたい200グラムの金価格に相当します。
また、5年以上保有する場合は5800万円以上の利益が出た場合、ETFの方が有利になります。
ゴールド投資は本当に魅力的です。ですが価格のこの所の上がり方が激しいと感じて居ます。このまま上がり続けるのか。もし、下がった場合はいつ頃から上昇に転じるのかお教え頂ければと思います。
過去のチャートを見ると、高値から2割くらい下がることが時々起こります。
しかし、それがどのような理由でどのような時期に起こるかは分かりません。
そのような理由から、ゴールドへの投資は少しずつ期間を置いて行うのが正しいと考えています。