シニアは旅行に行けなくなった

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2026年8月20日

日本のシニア層は旅行市場から撤退しています。背景には、時間とお金の深刻な制約があります。今日はこの話を深掘りいたします。

悠々自適は昔の話

図表1をご覧ください。2014年から2024年の年代別旅行実施率の変化です。60代、70代の割合が大きくマイナスになっていることがわかります。かつてのシニア層は、「時間と資金を持て余し、悠々自適に旅行を楽しむ」というイメージがありました。しかし、現在の日本においてそれは過ぎ去ったこととなっています。

お金がないから旅行は無理

旅行に行けなくなった1つ目の理由は、お金の制約です。図表2は総務省による60歳以上の就業率の推移グラフです。どの世代も、就業率が年々上昇していることがわかるでしょう。シニア層も働かざるを得なくなっているという現実です。 現在、高齢者雇用安定法の改正などにより、65歳、あるいは70歳まで働き続けることが一般化しています。実際、65〜69歳の就業率はすでに50%を超えています。現代の60代・70代前半の多くは、現役の労働者なのです。

なぜ高齢者の多くは働き続けるのか。それは、年金収入の実質的な減少と、物価高騰による経済的な不安があるからでしょう。厚生労働省によると、公的年金が総所得の8割以上を占める高齢者世帯は、2014年の68.0%から、直近(2022年所得)では59.6%へと減少しています。年金収入への依存度が下がり、労働等によって生活を防衛せざるを得ない世帯が増加していることを示唆しています。

図表3を見てください。JTB旅行意識調査による、2024年に1度も旅行に行かなかった60代の、旅行の阻害要因に関する統計データです。「旅行商品や宿泊・交通の値段が割高」という理由が急増しています。インフレによる物価高騰が、シニアの家計を直撃し、旅行へのハードルを大きく引き上げています。

老々介護が増えている

2つ目の理由は、時間の制約です。改めて図表3をご覧ください。こちらを見ると、休暇がない割合は29.5%から16.3%へと減少していることがわかります。一方で、ペット・介護者がいる割合がどちらも大きく増加しています。この背景には、家族構造の変化があります。

かつての大家族を中心とした社会では、同居する家族が介護を担うケースが一般的でした。しかし、現在は核家族化(夫婦のみ、または夫婦と未婚の子どものみ)が進行し、子世代においては共働き世帯が多数派となっています。事実、厚生労働省によると、児童のいる世帯の8割以上が核家族となっています。しかも、共働き世帯が右肩上がりで増加しています。

ここまでの話を簡単に要約すると、親世代と子世代の別居が常態化しているということです。高齢社会白書によると、65歳以上の世帯のうち、単身または夫婦のみの世帯の割合が6割を超えています。

それに加え、寿命の延伸に伴い、介護を要する期間そのものが長期化しています。

子や子の配偶者が親の介護に専念することが物理的に困難となり、高齢者が配偶者を介護する『老老介護』が構造的に避けられないものとなっています。

一般的に、景気や社会構造の悪化は弱い人たちに最も大きな影響を与えます。それがシニア層です。高齢者のみならず、私たち国民は家計を支えるのに長時間・長期間働くことになり、ゆとりが奪われています。こうした中で、一番有効な対策は何か?資産が資産を生んでいく構図を作りあげることです。これならば時間がかからずに、生活にゆとりを生み出すことができます。資産形成はこれからの時代を生き抜くための必須条件です。

そして、この厳しい現実に目を背けず、投資部で学び、具体的な行動を起こされている皆さまは、間違いなく正しい選択をされています。社会全体がゆとりを失っていく中にあっても、ご自身とご家族の未来を一緒に守り抜いていきましょう。

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