トルドー首相の辞任

  • URLをコピーしました!

~現政権不人気は世界の潮流~

カナダのトルドー首相が辞任を発表しました。

今日は、このニュースを解説いたしましょう。

1月7日、トルドー首相が辞任を発表しました。

2015年から9年間の在任期間でした。

国民の暮らしに対する不満が高まり、支持率が低下したことが理由です。

カナダの経済はどのようになっているのか、三つの経済指標を見ながらご説明します。

➊消費者信頼度指数

第一番目に、消費者信頼度指数です。

この値は、コロナ不況期を除けば、2011年以降の最低値となっています。

これが辞任の主要因だったと思われます。

しかし、カナダの経済状況が非常に悪いのかといえば、僕にはそのようには見えません。

最初に引き合いに出したいのはカナダの株価です。

これは史上最高値になっています。ほぼ米国と同じ動きです。

株価は金持ちが恩恵を受ける指標ですので、庶民には縁遠いのかもしれません。

❷失業率

図表2にあるように、失業率は高いものの、首相就任時に比べればまだやや低いです。

問題は、失業率の上昇の速さが急速に進んでいることです。

人々が「自分も失業してしまうのではないか」という不安が高まっていると解釈できます。

❸鉱工業生産

鉱工業生産(前年同月比)はプラスとマイナスの間を行き来するようになっています。

バラ色の数値ではないことは確かです。

しかし、これは図表3に示したように、過去に何回もある程度のレベルであり、

現時点では大きな不況入りを示すものではありません。

こうしたことを総合して考えると、

経済指標は最悪の事態とか、それに近い事態になっているということではありません。

にもかかわらず、消費者信頼度指数が低いのは、人々が生活の不安を感じ始めているからです。

人々が直観的に、「これから生活は悪くなる」と感じているのでしょう。

日米独をはじめとする先進国共通の認識です。

そのため、日独仏などは現政権の支持率が揺らぎ始めています。

こうした世界的な潮流の中で、

カナダの首相が辞任に追い込まれたと考えるのが正しい見方ではないでしょうか?

コメント

コメント一覧 (2件)

  • 田中宇さんの国際ニュースで「トランプ大統領が昨年末、グリーンランド·カナダ·パナマ運河について、米国領になるべきだという趣旨の発言をした」と云う記事を読みましたが、
    そんな矢先のトルドー首相の辞任…。

    世界はこれからアメリカ圏·アジア圏·ユーラシア圏の三極化して行くと云う内容の記事も読んだことがあるので、

    今後カナダが、本当にアメリカ圏になって行くのか、注目して見ています。

    • カナダは現時点ですでにアメリカの、
      属国ナンバーワンです。
      日本もアメリカの家来ですが、その比ではありません。
      今後はその傾向をさらに強めていくものと思います。

コメントする

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次
閉じる