2026年7月9日
ロシアで起こる日本ブーム
ロシア国内でかつてない規模の日本ブームが起きています。世界中の多くの国がロシアからの渡航者を拒むなか、日本はロシアにビザセンターを2つ新設しました。メディアでは国家間の対立ばかりが強調されていますが、政府の本音は異なります。今日はこの話を深堀いたします。
対日訪問客数110%増
図表1を見てください。2025年の訪日外客数の前年比を見ると、中国が32%、韓国が7%であるのに対し、ロシアは110%という圧倒的な伸び率です。絶対数では、中国が年間約800万人、ロシアは約18万人ですから、全くかないません。しかし、重要なのは昨年からの伸び率です。コロナ前の最高値は約9万人でしたから、その2倍人気が出てきていることが分かります。

背景には、日本政府がロシア人に対するビザ発給を極めて緩く設定していることがあります。欧米諸国がロシアからの入国を厳しく制限しているのと対照的です。
図表2を見てみましょう。EU諸国はロシア人への観光ビザの発給を原則停止しました。ビザ取得費は35€から80€(約14,000円)に2倍以上の値上げを実施しました。発行にかかる期間も数ヶ月となっています。

アメリカに至ってはロシア国内での申請すら困難で、周辺国(カザフスタン・アルメニア・セルビア)へ出向く必要があります。取得費は185$(約30,000円)、さらに周辺国への移動費もかかります。期間も数ヶ月から1年以上と極めて長期化しています。
対して日本は、ビザの発給に制限を設けていないどころか、ロシア国内に新たなビザセンターを新設しました。モスクワとサンクトペテルブルクの2か所です。取得費用も実質無料で、新ビザセンターの利用料である970ルーブル(約1,900円)のみです。書類さえ揃っていれば、平常通り数日から1ヶ月程度で発給されます。
ウクライナ戦争の制裁はしたくない
これは何を意味するのでしょうか。表向きは他国と歩調を合わせ、ロシアへの制裁に加担しているように見せています。しかし、距離を置きたい国にビザセンターを新設するはずがありません。裏では自国の経済的メリットを取ろうとする日本政府の思惑が透けて見えます。
国家間の対立構造はあくまで表面的なお付き合いであり、本音は良好な関係を築き、実利を得たいということにあります。ウクライナへの支援なんて本当はもうやめたいのです。
この事象からあなたにお伝えしたいことは1つです。メディアが流す話だけで物事を判断してはなりません。ぼくの海外在住の経験からすると、日本への悪口なんてそう聞きません。中国であれ香港であれ、民衆レベルでは日本人と仲良くしたいと考えています。
わたしたち投資家は、世間が抱くイメージや大衆の感情論に流されてはいけません。極論、ニュースなんてまともに見ても意味はありません。専門家の発言や外交の合意文書など、何の意味もありません。
本日示したように、政府の本音を見るには政府の行動を見るのです。このようにして、本質を見抜く力を身に付けていきましょう。



コメント
コメント一覧 (1件)
先生が何時も仰る、国の本音と建前!
これほど見事に現実が示している例は
まだまだ他にもあるのでしょうか?
又の機会に教えて下さい。