2026年7月2日
重要な頼み事というのは、いつだってお金の話です。今日は、政治の裏側をどうやって見極めていくかついてお話しします。
事実をしっかり見る目を養う
5月11日、米国からベッセント財務長官が来日しました。図表1をご覧ください。その目的としては、日米の為替協力や経済連携の強化とされています。

単なる為替調整ならば、財務長官が飛行機に乗ってやってくる必要はありません。電話や実務者レベルで片付けられる話だからです。米国は日本よりも立場が上の国です。そのため、向こうから特別な頼み事がない限り、わざわざ日本にまで足を運ぶことはありません。
また、図表2にあるように、トランプ大統領は中国から戻る大統領専用機の中から高市首相と電話会談を行っています。高市首相からの発表では、「中国・イラン情勢の意見交換と同盟の結束確認」とされています。

こんな内容の会談がありうるでしょうか。分単位の時間でも惜しいトップ同士が結束確認のために15分もの大切な時間を使うでしょうか。
財務長官が頼み、大統領が念を押した話があるはずです。それは何か?国同士のトップの会話は常にお金です。日本に負担させるお金の話だったはずです。
絶対に守りたい利回り5.0%の壁
財務長官が来たのですから、米国の財務に関するお金の話です。具体的に言えば、米国債に関する話だということになります。
推論になりますが、中国が米国債を売ろうとしており、それを日本が肩代わりして欲しい、という内容だったというのが最もしっくりくる解釈です。その理由は金利にあります。
図表3をご覧ください。日独米仏伊の2021年初頭と現在の10年金利の表です。2021年では最低のドイツとの差は1.4%でした。しかし現在は、最低の日本と1.9%の差になっています。このように、現在の米国の金利は非常に高くなっているのです。

問題はイタリアとの差です。図表4をご覧ください。米国とイタリアの10年債の利回りを比較したチャートです。過去を振り返ると、両国の金利は長年にわたってほぼ同じように連動していました。しかし、最近になって大きく乖離し、米国の金利が高くなっているのがわかります。

イタリアはG7の中で「最も財政状況が悪い」と評価されている国です。事実、2011年には欧州金融危機の中、長期金利が7%にまで上昇し、財政破綻目前と言われました。
しかし、ここに来て、米国の金利の方が高くなってしまいました。
さらにチャート内で注目すべきは、5.0%のラインです。近年、5.0%近くまで上昇しましたが、ギリギリのところで抑えられていました。(黒丸で示した箇所が5%目前でした。)現在も上昇傾向にあり、この5.0%をなんとしても死守したいのが米国の考えなのです。
中国が米国債を売ることを避けることができないと、訪中直前に察知したのでしょう。誰かにその分を買わせなくてはなりません。日本に白羽の矢が立ったというわけです。
わたしたちは、メディアが報じるニュースを鵜呑みにしてはいけません。図表1にあるように、財務長官が「幅広いテーマ」を目的して来日したというのは真っ赤な嘘です。このようにして、表向きのニュースから政治の裏側を読み解いていくことができます。
金融崩壊が始まれば、政府発表の嘘がさらに大きくなっていくでしょう。この際、自分の身を守るには鋭い読みが必要となります。



コメント
コメント一覧 (2件)
いつも大変気付きの多い配信をありがとうございます。
今回の「カネの流れから政治の裏舞台を読み解く」というお話、非常にスリリングで、説得力があり、韓国ドラマのようです。
さらに「金融崩壊が始まれば政府発表の嘘がさらに大きくなる、身を守るには鋭い読みが必要」という警告には、痺れました。
これまでも米国10年債をウォッチしてきましたが、
5%を上抜けするかが注目点なのですね。
その米国債券が売られて、金利上昇するようなこと
があれば、敗戦国の我々が米国の肩代わりする。
それでも金利上昇を止められないと、米国から更に強く
米国債を買うようにすごい剣幕で怒られるんでしょうね。