2026年4月8日
上がり続けるエンゲル係数
日経平均が史上最高値を更新しました。しかし、わたしたちの生活実感での暮らし向きは一向に改善していません。その違和感の正体は、エンゲル係数から見て取ることができます。
数値が証明する生活の逼迫
まずは図表1を見てください。2000年代から現在(2025年12月)までのエンゲル係数の推移を表しています。

エンゲル係数とは、家計の消費支出に占める食料費の割合です。簡単に言えば、「今月100万円の支出があった。その内、30万円は食費に使った。その場合、エンゲル係数は30%になる」ということです。
もう1度図表1を見ると、2000年から15年ほどは横ばいが続きました。
2015年付近から上昇トレンドに転じています。
図表2にあるように、物価は2014年頃から、じわりと上がり始めています。特に大幅上昇を始めたのは2021年頃からです。特に食品の値上がりが大きいです。

美容院の価格が上がったら、4週間ごとに行っていたのを5週間ごとにすることができます。1年あたりに通う回数を減らすわけです。同様に、スマホの買い替えも我慢できます。だから、美容院もスマホ製造者も顧客が納得する程度しか値上げができません。
これに対して、食事の回数や量は減らすわけにはいきません。このため、食品会社は比較的自由に値上げを行うことができます。
日本のエンゲル係数を他の主要先進国(G7)と比較すると、突出して高い数値を示しています。2023年のデータでは、日本が27.8%、2024年には28%を超え、一時30%台に突入しました。これは1982年以来の高水準です。次いで多いのはイタリアで、約26%前後で推移しています。食文化で知られるフランスも24〜25%と比較的高めです。一方、イギリスは22〜23%程度、ドイツは18〜19%と日本より大幅に低い水準となっています。アメリカは15〜16.5%という驚異的な低さです。
このように日本のエンゲル係数はG7諸国の中で「圧倒的1位」の高さとなっており、その差は年々拡大傾向にあります。
変わらない給与、上がったのは金融資産
私たちの暮らし向きが改善しないのは、給与が増えないからです。図表3にあるように、物価上昇分を差し引いた実質給与は2008年から横ばいになっています。

これは手取り給与(名目給与)を物価総合指数で割ったものです。先ほども述べたように、物価は食品が大きく上がっていいますから、エンゲル係数が上がることになります。
給与が上がらない根本の理由は何か?新興国の人たちの給与が安いからです。「これ以上日本人に給与を払うくらいならば、新興国で生産する」と経営者が考えているからです。
こうした暮らし向きの窮状にもかかわらず、金価格や株価(日経平均)は大幅上昇を続けてきました。金価格は2000年の300ドルから17-18倍になりました。
世界の好景気の中、お金は庶民には回って来ずに、金融市場に回っているのです。今後もこの傾向は続くでしょう。このような状況を考えると、給与が伸びない中、資産運用によって生活を豊かにすることが大事だということがわかるでしょう。
金投資が今後も最重要です。



コメント
コメント一覧 (1件)
日本のエンゲル係数が30% 近くになっているのにも関わらず、アメリカのエンゲル係数が15% から16% ということは、アメリカの庶民の生活はあまり苦しくないということですか?
アメリカの景気はそんなに悪くないのですか?