2026年07月16日
投機市場には手を出すな
人気ポケモンカードは価格が大幅高します。スニーカーでも高級酒でも同様のことが起きています。しかし、これは投機です。リスクの高い「賭け事」だと思って下さい。
情報操作で価格が作られるポケモンカード
ポケモンカードは投機の典型例です。
図表1にあるように、ポケモンカードの価格指数は2023年には約90,000円でピークとなりました。その後、翌年の2024年には底値の約20,000円にまで下落しました。そこからまた上昇に転じ、現在では約60,000円になっています。これはカードの純粋な希少性だけでなく、SNSでの高騰予想の煽りや意図的な買い占めによる価格の吊り上げが横行しているためです。

完売直後に価格が倍増するスニーカー市場
この現象は靴の市場でも起きています。スニーカーに関する図表2、3をご覧ください。


例を挙げると、定価が約22,000円の「ナイキ×sacai」のコラボスニーカーは、公式ショップで即完売となりました。しかし、実態をお話ししておきましょう。
本当にその靴を履きたい消費者の手には渡っておらず、完売直後から転売市場において、47,900円のシューズや、62,000円のシューズなど、定価の倍以上の価格に堂々と跳ね上がっています。
価値の不在と情報操作による価格形成
こうしたモノへの投機は難しいと考えてください。それは、株式における企業の業績や配当のような、価格を裏付ける明確な価値の根拠が存在しないからです。ゴールドだったら、その価格上昇の裏付けとなるマネーの異常な拡大(世界の債券残高の膨張)があります。
本来の価値が見えない市場では、前述した意図的な煽り行為や供給不足の演出など、人為的な情報操作によって価格が形成されます。現在高値がついている商品も、実需ではなく「これから上がる」という空気感だけで吊り上げられているに過ぎません。
法規制の追いついていない無法地帯
特定の誰かが情報を流して買い集め、価格を吊り上げてから高値で売り抜ける。これは株式投資の世界で「仕手株」と呼ばれる古典的な手口と全く同じメカニズムです。
決定的な違いは、法規制の有無です。株式市場において相場操縦や風説の流布は犯罪として厳しく取り締まられますが、モノの市場では直接的な法規制が追いついていません。適正価格の基準がなく、監視の目もない無法地帯です。情報操作で作られた価格に乗ることは、単なるババ抜きでしかありません。
実際、ポケモンカードの仲介業者が倒産したというネット記事が出ています。具体的には、東京・秋葉原のカードショップ「The TCG Shop AKIHABARA本店」です。
会社は先週、SNSに「本店の資金繰りは破綻しました。東京地方裁判所に破産手続き開始の申し立てを行う予定です」「買い取り額よりも低い金額での販売とならざるを得ない取引も生じてしまい、まさに自転車操業の状態に陥り、資金繰りが破綻状態となりました」と投稿しました。
業者からは、買い取り代金が振り込まれないばかりか、ポケモンカードも戻ってきません。ポケモンカード取引市場のみならず、他のモノの取引市場もこのように脆弱なのです。
本物の投資とは、価格が上がることが理路整然と説明できるものです。「ここまで価格が大幅高した。だからもっと上がるだろう」という投機に過ぎません。リスクの極めて大きな市場には手を出さないことが賢明です。



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