資産を増やす最強の手段
投資における最も重要なルールは損切りです。今日はこの話をします。
「最も重要なルールって、ゲームチェンジ銘柄を見つけることじゃないの?」と思う人がいるかもしれません。それよりずっと重要なルールが損切りです。
「自分は株(日米株やオルカン)を持っているのだが損が出ている。どうしようか。上がるのを待とうか悩んでいる」これが最も問い合わせが多い質問です。買ってしまった銘柄や投資信託が失敗だとわかったらどうするのか。損切りです。というのがぼくの回答です。待つという選択肢はありません。
多くの人たちが財産を失っていくのは損切りをしないからです。「我が家には代々、“相場ものには手を出すな”という家訓が伝わってきた。その理由は、曾祖父が小豆相場に手を出して、全財産を失ったからだ。」いった話をよく聞きます。
これは相場に手を出したことが間違っていたのではありません。相場で大儲けする人はいくらでもいます。損切りをしなかったのが問題なのです。
相場格言に学ぶ
「貯蓄十両、儲け百両、見切り千両」という格言があります。この意味はこうです。
貯蓄をコツコツやっていても、資産は十両にしかならない。商売や投資を行えば、百両にはなる。商売や投資にはリスクがつきものであり、損切り(見切り)をしっかり行うことができれば千両になる。
損切りで資産が飛躍的に伸びるという教えです。相場だけでなく、ビジネスにおいても、「見切り千両」は重要なルールになっています。
例えば、ユニクロを展開するファーストリテイリングが、会社を大きくしていきた裏の理由は損切りです。服にはどうしても流行があり、自分たちが流行に外れてしまう服を作ってしまうリスクがあります。これはどうしても避けることができません。作った服が全て当たるということはないのです。
そのため、人気の出なかった服は早めに察知して、それをシーズン中に売り切ってしまうことが重要です。具体的には、どんどん値段を下げて在庫を減らしていきます。翌期に持ち越せば、価格がさらに下がって、大損になってしまうことを経験からわかっているからです。
服の場合と違い、投資の損切りは極めてシンプルです。「8%の損が生じたら、手仕舞う」というものです。空売りを行う場合、例えば100円で売り始めた場合、108円まで上がってしまったら損切りです。
トップクラスの野球選手でも打率3割台だということは、7割は失敗していることを意味します。投資の世界でも同じです。全ての購入銘柄が大ヒットすればいいのですが、現実はそうはいきません。大ヒットが3割あれば最優秀だといえるでしょう。後の7割は冴えない程度(市場程度)の上昇か下がってしまう銘柄かのどちらかです。
損切りは心理的につらいものですが、次のチャンスに備える資金となり、将来の可能性を生かすために不可欠なものだと前向きに捉えることができるようになってほしいです。3割の大ヒットが出た時の資金を多めにしておくのです。 損切りに上手く対応できるようになれば立派な投資家の仲間入りです。
コメント
コメント一覧 (6件)
損切かぁ〜
・・・未練が残ります。
本日も東京市場は大暴落です。
私たちの大切な年金は株式と債券で運用されております。年金基金もキチンと損切りしてくれいるのでしょうか?とても心配ですよ。
〉年金基金もキチンと損切りしてくれいるのでしょうか?
ウ〜ン、確かに。。。
いま、損切りしていいか、たくさんのハンコのある稟議書を回していたりして(^◇^;)
追伸
これから株式市場の大暴落が始まったら私たちの年金はどうなるのでしょうか?
今日の相場は、米国の株価指数だけでなく、日経平均も煽りを受けて、断崖絶壁から飛び降りたかのような急降下でした。
こんな日は、損切りが最重要と分かっていても、ちょっと目を離して仕事してる間に、あっという間に8%を突き抜けてしまいます。
私も過去に、まったく同じ苦い経験をした事があるので、今度、株式投資をするときには、必ず『常に逆指値の売り注文を出しておかないといけない』と肝に銘じようと思っています。
林先生、タイムリーな気づきをありがとうございます。
現在の市況の中での損切りですが、先日の気づきコラム「下落が早い展開となった」にある「2やや戻してから下落へ」を待ってからがよろしいでしょうか。
あるいは、即座の損切りがよいのでしょうか。
大きく含み益、損失のあるものがあります。利益確定、損切りをいつにするのかを少し迷っております。