2026年7月14日
真実を知る者からの根強い需要
ゴールド価格が4000ドルになりました。「価格がどんどん下がっていくのではないか」と心配する必要はありません。ゴールドの価値を知る世界の識者たちはゴールドを買っているからです。
図表1にあるように、米国債券(10年債金利)は4.62%となり、2020年以降の最高値(4.8%)に迫っています。金利が上がるということは債券価格が下がるということと同じです。債券価格が下がる理由は、「ドル札は刷り過ぎている。危ない」と思われ始めたからです。

株価が下がる日に債券価格が下がっています。株も債券も同時に下がる展開はリーマンショック時とは違います。当時と桁違いに債券残高が大きくなっているので、投資家が不安になっているからでしょう。「株も債券もだめだ」ということになれば、上昇しそうな金融資産はゴールドのみになります。
州政府が金銀の刺客を放った!
米国は世界最大の国債発行残高を持つ国なので、「国家とは距離を置こうという姿勢に転じている州政府が存在します。
2026年7月1日から、アメリカのフロリダ州で歴史的な法律がスタートしました。金(ゴールド)と銀(シルバー)を、正式な法定通貨として認める新法です。
ここで、図表2のルールをご覧ください。

基準を満たした金貨や銀貨が、借金の返済や日々の支払いに使えるようになりました。対象は金99.5%、銀99.9%以上の純度です。
特に画期的なのは、税制上の見直しです。 例えば、過去に10ドルで買った金が、現在50ドルに値上がりしたとします。これまでは、この金で買い物をすると、値上がりした差額の40ドルにキャピタルゲイン税がかかっていました。
しかし新法では、州レベルでキャピタルゲイン税は不要になりました。金貨に刻まれた額面ではなく、その時の時価を基準に、支払い手段として扱える道が開かれました。
また、お店への強制力はないため、対応システムなどは必要です。それでも、ドルの価値が下がり続ける中で、公式に強力なライバルを誕生させた意味は小さくありません。
大経済圏フロリダまでもが連邦政府に反旗
過去にも、アメリカの各州で金・銀をお金として見直してきました。
図表3の年表をご覧ください。 2011年のユタ州を皮切りに、ルイジアナ、オクラホマ、アリゾナ、ワイオミング、アーカンソーといった州が独自の制度に整えてきました。さらに、テキサス州では、2015年に独自の保管所を作り、来年には取引システムまで予定しています。今やサウスカロライナやミズーリなど、多くの州が追随しようとしています。

特に大事なのは、今回のフロリダ州の参入です。これまでの動きとは意味が全く異なります。全米屈指の巨大な経済圏が、本格的に動き出したからです。
これを家族に例えてみましょう。浪費癖があり、借金まみれの頼りない父親(連邦政府)がいます。15年前、最初に危機感を覚えた長男(ユタ州)が、独自のヘソクリとして金・銀を持ち始めました。当時は小さな反抗に見えたかもしれません。
しかし今、圧倒的な稼ぎと発言力を持つ大物(フロリダ州)がその動きに加わりました。この連邦政府離れは、もはや地方の一時的な流行ではありません。
買い手が広がり金価格上昇は続く
このアメリカ国内の変化は、世界中の中央銀行が進める脱ドル化と完全にシンクロしています。これからは、お札(国債)という存在への不信感がさらに強まります。
お札の本質は、水で薄められ続けるジュースのようなものです。国が借金をごまかすためにお札を新しく刷るたびに、私たちが持っているお金の価値(濃さ)はどんどん薄まり、やがて水同然になってしまいます。一方で、金は誰にも薄めることのできない純度100%の果実そのものです。
過去のユタ州の時代は、まだドルの覇権が揺らいでいませんでした。しかし今は世界中の中央銀行がドルを手放し、猛烈な勢いで金を買い漁っています。
そこに今回、アメリカの一般市民までがドルの逃げ道として金を使い始めます。中央銀行に続き、巨大な地方政府や一般市民までもが金を買い支える構造が出来上がったのです。買い手の層が圧倒的に厚くなるため、金の現物価格は今後も右肩上がりで上昇していきます。



コメント
コメント一覧 (1件)
ゴールドの法定通貨化を進めているのは、南部や西部の保守的な州が多いですね。銃規制なども南部のほうが緩いと聞きます。アメリカもこれからいろいろな事が起こるのかもしれませんね。