ウクライナ戦争収束は金価格を動かすか?

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2025年11月27日

戦争の影響はゼロ

ウクライナ・ロシア戦争が収束する見込みになりました。

金価格に影響があるのかという問い合わせが相次いでいます。今日はこの話をいたします。

ウクライナ戦争の影響はゼロといっていいでしょう。なぜか?

ウクライナ戦争開始時(2022年2月)に大きく上がらなかったからです。戦争開始時に影響がほとんどないのに、収束時にだけ影響があるのは理屈に合いません。

具体的にいえば、最初の数週間は金価格が上がり、1800ドル弱だった価格が2000ドル台に乗せました。しかし、その後は価格低下が続き、半年後には1600ドル台になってしまいました

加えて、ウクライナの劣勢状態はここ1年以上前から明らかでした。今や停戦ではなく、降伏を受け入れなくてはならない事態になっています。ゼレンスキ―大統領の亡命や親露政権の誕生も視野に入っています。つまり、地政学的なリスクが急速に低下しているわけではないということです。金価格には影響しないのは当然です。

これに対して、戦争開始時に大きく上昇したのは天然ガス価格です。特に欧州向けの価格が急上昇し、過去最高価格となりました。2020年に5月には1.58ドルだった天然ガス価格は戦争開始後の2022年8月には70ドルという高値をつけました。

理由は、ロシアがウクライナを支援する欧州各国向け天然ガスの供給を削減したからです。それまで2ドルもしなかった天然ガスが70ドルになれば、一般庶民には手が出ません。こうしたことから、東欧やドイツは暖房用の燃料が不足し、冬の寒さを耐えるしかなかったのです。ドイツの消費者信頼感指数(暮らし向きを庶民がどう感じているかの指数)は過去最低に落ち込みました。

ゴールドはこのように欧州の生活・消費に直結するものではありません。だから価格が動かなかったのです。

識者によれば、金価格は地政学リスクと共に上がる(下がる)とのことです。そうした側面がないとは言いませんが、より重要な要因は需給です。もう少し具体的に言えば、供給面では生産やリサイクルの増減、需要面では中央銀行、宝飾の需要の増減が大きいです。

世間の発言に惑わされずに本質的に大事な情報だけを見るようにしましょう。

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