注目の大企業の動き速報/ ニデック-特別注意銘柄指定から解除後

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2025年10月30日

事態改善には時間がかかる

ニデック(6594)が東証の特別注意銘柄に指定されました。

今日はこうした銘柄にどう対処したらいいかをお話しします。

2025年10月28日、ニデックは不祥事を受けて、東証の特別注意銘柄に指定されました。

1年間の審査期間を経て、改善が認められれば指定は解除、不十分なら指定継続、改善の見込みが乏しければ上場廃止に至ります。

一般的に、企業にはいろいろな問題がつきものです。食中毒、データ流出、リコール、幹部社員の汚職などさまざまな不祥事が日々報じられますが、そのすべてが特別注意銘柄に指定されるわけではありません。むしろ、指定されるのはごく一部です。

東証が「この企業の問題の根は深い。簡単には改善しない」と考えなければ指定には踏み切りません。そうした東証の意図をつかみ取り、株価が大きく下げることになります。

図表1に最近のニデックの株価を記しました。

2025年9月3日に不祥事の発生を公表しました。

中国の子会社の利益水増し疑惑です。監査法人が調べを進めると、疑惑は他の子会社にも広がり、しかも長年にわたっていることがわかってきました。

このため、中間決算の延期、無配の決定、今期(2026年3月期)の業績予想も未定となりました。それに加えて、東証の特別注意銘柄指定となってしまったわけです。

図表1を見ると、株価の下げが2段階になっていることがわかります。

不正発表日と特別注意銘柄指定(ストップ安)です。

株価は今後どのように展開していくのか。

これまでに起きた例が参考になります。

最終的には指定解除となり、一般銘柄に復帰した銘柄でも、その過程は“いばらの道”だということがわかります。実例としてユー・エム・シー・エレクトロニクス(6615)を示しました。

図表2です。

解除に至るまでの過程で株価は上昇基調に転じていますが、当初は投資家の売りが続き、株価は続落していました。ニデックにおいても似たような展開が待ち受けていると考えるべきです。

なお、特別注意銘柄指定の解除が行われずそのまま上場廃止になった銘柄は最後まで株価の凋落が続きます。

こうした銘柄には近寄らないのが最善です。

なお、オンクラスの講義を受けている方はこうしたニデックの被害に遭うことはなかったでしょう。銘柄購入の際は、「新高値を更新した銘柄を買う」というルールがあるからです。この銘柄は不祥事発覚前から大きく下げてきた銘柄です。具体的には2021年2月の天井から、不祥事発覚前まで5割以上の下落になっています。こうした下げ基調の銘柄にはもともと近寄ることはないわけです。

今回は特別注意銘柄の意味を紹介する目的で、今日の気づきを執筆しました。

コメント

コメント一覧 (7件)

  • 不祥事を起こした企業は株価に反映されるため、チャートを見れば過去のできごとがわかるということに気がつきました。有難うございます。

  • コメントは全てに目をとうしています。
    貴重な情報ありがとうございます

  • 「チャートには投資者の思いが反映される」ということが、実例でよく分かりました。
    チャートの背景が読めるようになりたいです。

  • 企業の不祥事は新聞でたまに見ることがあります株式廃止に至る場合チェックする機関があるのですか?予兆は個ごの投資家が見るしか手だてはないということ日頃からのチェックが必要ということ株式を持つと言うことはそこまで見ないといけない!

  • 空売り銘柄、調子良く上がってます。
    銀行株も新高値ですが空売りできませんね?

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