投資詐欺体験記

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2025年8月28日

芸能人の名前に惹かれて―50代が陥った投資詐欺の罠

投資部のお客様から、「投資詐欺に悩まされている」という相談を受けました。

被害者の方の苦悩が日々深くなっていく様子がわかります。

事件のあらまし

2024年10月31日、50代の男性Aさんは「超有名芸能人・A氏」の名前が大きく使われたネット投資広告を目にした。

「気軽に始められる投資」「5万円からスタート」といったキャッチコピーに、半信半疑ながらも心を惹かれたという。

老後を見据え、そろそろ真剣に資産を増やしたいと考えていたAさんにとって、その広告はまさに“ちょうどよく見えた”のだ。

クリックを進めるうちに、Aさんは「AltropsTrade*1」という海外の投資サイトに誘導され、

さらにその先で「Savexa*2」という取引サービスへと案内された。

そこでは、「AI(人工知能)が自動でお金を増やしてくれる」と説明され、

「特別な知識がなくても大丈夫」という印象を受けたという。

*1Altrops Trade(オルトロップス・トレード)

・高配当や自動取引をうたう投資サービス

・実態が不明で出金できないなどの被害報告もあり、詐欺の可能性が高いとされている

*2 Savexa(セイベクサ)

・仮想通貨や資産運用を名目にした投資サイト

・短期間で利益が出ると謳われているが、運営元が不明で詐欺被害のリスクが高いとされる

最初に支払ったのは、5万円。

「このくらいなら、最悪なくなっても仕方ない」と思いながらも、50代というこれからの生活資金が気になる年代――将来に備えて少しでも増やせるならという気持ちもあった。

しかしその後、Aさんの知らないところで次々と“取引”が行われ、

気づけば、自分がどれだけ投資しているのかも分からないほど数が膨れ上がっていたのだ。

取引が本格化し始めたのは11月15日頃。

Aさんの元にはSavexaからの頻繁な取引報告メールが毎日届くようになり、彼の不安は一気に高まった。

「何かがおかしいのではないか」

「でも、どうやって止めたらいいのか分からない」

Aさんは警察に相談することも頭をよぎったが

「こんなこと、きっと相手にされないだろう」

「放っておけばそのうち収まるかもしれない」と、どこかで自分に言い聞かせてしまった。

結局、行動を起こせないまま時間が過ぎ、取引に関するメールの通知だけが日に日に増えていった。

どうしたらいいか分からず、心はどんどん追い詰められていく。

「このまま、どうなってしまうんだろうと思うと、怖くて手が震えました」

――Aさんは当時の心境をそう振り返る。

Aさんが精神的に最も追い詰められたのは、12月1日のことだった。

突然、Savexa側から「20万円を一括で振り込め」というメールが届いたのだ。

まったく身に覚えのない金額に、頭が真っ白になったという。

さらに数日後には、「”マージンコール”に達した」との通告。

これは「取引を続けるには資金が足りない。すぐにお金を追加で入れろ」という意味だ。

「これ以上どうすればいいのか…」

強い不安と恐怖に襲われた。

「もう取引はしたくない」と伝えた後、なんとか先方からの連絡は止まったそうだ。

しかし、今でも、Aさんの心が完全に落ち着くことはない。

「このまま終わってくれればいいけれど、またいつ連絡が来るのか分からない」

「自分の個人情報が、どこかで出回っているんじゃないかと思うと、不安で仕方ないんです」

取引が止まっても、心の中の不安は消えていない。

見えない相手とのつながりが、今もなおAさんを静かに追い詰め続けている。

皆様へのアドバイス

❶TVタレントなど有名人の名前が出ている投資広告は疑う

広告に有名人の顔や名前が出ていても、それが本人の承認を得たものとは限りません。詐欺の可能性が高いので、鵜呑みにせず公式情報で確認をしましょう。

❷少額で始められる話こそ慎重になる

「5万円からOK」など少額投資を入口に不安なく入金させ、その後に追加入金を迫られる手口が多発しています。少額だからと油断せず、相手の実態を必ず調べましょう。

❸出金できない時点で詐欺を疑う

入金後、勝手に取引が繰り返されたり出金できなくなった時点で詐欺の可能性が非常に高いです。取引停止の方法が分からなければすぐに対応を考えましょう。

❹要求された追加の入金には応じない

「マージンコール」「すぐに入金しろ」という連絡が来ても、支払えば支払うほど取り戻せなくなります。その段階で必ず立ち止まり、誰かに相談してください。

❺一人で悩まずすぐに相談する

被害が疑われる場合は、投資部サポートチーム、警察、消費生活センター、弁護士などに早めに相談しましょう。

証拠の保存も忘れず、被害の拡大を防ぐことが大切です。

コメント

コメント一覧 (2件)

  • 私も投資詐欺の罠に、もう少しではまるところでした。本当に怖いですね!多いですね!

    あまりにも美味しい話なので、危ないと思い私はLINEをブロックしましたが、以下、地元の新聞に記載された8/13の詐欺事件です。

    LINEでは実業家の前澤友作さんを名乗る人物から「優良銘柄の情報を受け取って、経済的な自立や豊かな人生を手に入れたいと思いませんか」などと説明を受け、投資グループに招待されました。

    そして講師を名乗る人物から「400%の利益を目標にした計画が始動する」などと投資を持ちかけられ、男性が20万円を振り込むと偽物の可能性が高い投資サイトで利益が出ているように表示されました。
    男性は今月1日までにあわせて10回にわたって960万円を振り込み、だまし取られました。

    8月はじめですかね! 林投資部の会員募集が同時期にありましたので大変
    慎重になりました。でも、投資部は具体的な成果や林先生の経歴、実績、運営会社情報等を正確に
    明確に回答をして頂いたと思います。これからの大暴落に備え投資の良い生涯学習が出来ること入会して間もないですが、大変満足しています。

  • 私はまさに上記と同じ詐欺にひっかりました。被害額は少なかった方です。実際に被害にあうと恥ずかしいやら落ち込むやらで、なかなか声を上げにくいものですが、皆さんのお役に立てればと思い、気を付けるべき注意点を記します。

    まずHPを詐欺グループはちゃんと用意していて、きちんとした会社のように見せかけますが、「会社の住所」がどこを探してもありません。会社が実在していないからです。会社の法人名、代表者名、登記住所などが無い場合は詐欺だと疑う(いや断定するべきです)

    次にその投資グループのLINEなどのグループの中に、騙すために有名は金融会社に似せた立派そうな会社の名前が入っています。LINEグループの中に「三井なんとか」という名前があるのですが、そのいかにも実在していそうな会社をネットで検索しても出てきません。

    同様に、そのグループの中に前澤さんや有名人の名前が入っていますが、こんなものは誰でも作れます。私でもあなたでも今すぐ簡単にLINEのプロフール写真を前澤さんのものと差し替えて、表示名もそのように変更できます。

    そして、毎日「先生の講義」なるものがあって、私のような無知な人間からすると「無料で知識を教えてもらえてありがたい」と思わせます。ここは本当に普通に難しいもっともな話をするのです(なんの役にも立たないことは今ならわかりますが)

    グループは50~70名から成り立っていますが、自分以外は全部サクラ(もしくはごく数名だけは私のように騙されている人)で、「今日も儲かりました!先生のおかげです¥というコメントにあふれかえります。

    しかしこれらは全部サクラです。

    そして一番怪しいのは振り込みをするときで、振込先の口座が「個人名」なのです。

    怪しいなと思いましたが、騙されているとそちらに流されてしまうのです。

    ちゃんと会社名があり、顔が見えていて信用できる人でないといけませんね。

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