純金積立の魅力は低下していく

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2025年7月29日

純金への転換ができなくなる

田中貴金属は、2025年12月15日以降、純金積立の解約に際して、地金引き出しが出来なくなると発表しました。引き出しは現金のみとなります。

積立手数料も上がります。

したがって、現在田中貴金属で純金積立てを行っている皆様には12月14日までに解約(地金引き出し)を完了させることをお勧めします。また、他社をご利用の皆様にも早期に解約(引き出し)されるようお勧めします。

従来も31グラムといった端数の引き出しは出来ませんでした。

つまり、100グラムといった単位にならないと純金で受取ることはできませんでした。これは「ポイントが100ポイントに達しないと商品への取り換えができない」といったことと同じで、よくある話でした。

今後は規則が変わります。

2025年12月15日以降は1キロとか500グラムに達した場合でも、地金に交換できません。

「現金で引き出す」とはどういう意味か?

これは純金積立を換金するということであり、利益が乗っている場合は、課税の対象になります。従来は地金として引き出していたため、課税の対象になりませんでした。

今後は、純金積立はゴールドETFと同じように、換金した時に課税の対象になります。ETFとの違いは純金積立が日々ゴールドを買っていくのに対し、ETFは自分の好きな時に好きなだけ買うことです。

なぜ、田中貴金属はこのように、商品の仕組みを変えたのか?

それは地金不足が起きているためです。地金が足りないので、できるだけ地金を引き渡したくないのです。

もしかしたら、純金積立サービスを行っているものの、十分な地金が確保できていないのかもしれません。つまり、積立分に相当する地金がないということです。どちらにしても、地金不足が原因です。

現時点では、三菱マテリアルや日本マテリアルでは地金への転換は可能です。しかし、最大手の田中貴金属が転換不可に舵を切った以上、他社もいずれは転換できなくなるでしょう。同時に行うと、談合が疑われてしまうので、最大手から戦略変更を行ったわけです。

1540金の果実(純金上場信託)は1キロに達すれば純金への転換が可能です。純金積立は田中貴金属が、顧客積み立て分のゴールドを保有していないとしても、商品として成立してしまいます。別の言い方をするなら、金の果実の方が商品として優位性があると言えます。

純金積立はもともと手数料が高い商品でした。その上、ゴールドへの転換ができないとなると、ETFや一般の地金購入に比べて、購入する理由がますますなくなっていくでしょう。

地金が不足する現実は、金投資家から見ると、「ゴールド価格がますます上がっていく」ととらえることができます。こうした現象は海外ではすでに始まっており、香港では日本に比べて金価格が高いです。(手数料分が高いためです)

今回の田中貴金属のニュースはゴールド投資家にとって朗報だと思ってください。

なお、最後に田中貴金属からのお知らせを添付しました。

コメント

コメント一覧 (2件)

  • 地金には交換できない、スポット買い、積み立て、どうしたら良い最良の投資方法、ありますか?教えてください。

  • お世話に成ります。先日、田中貴金属に行きその際、預かり分の引出しを2回も勧められました。良く解らず、一応は其のままにしました。その後書類も送られて来ましたが。地金が不足している為でしょうか。
    私がスポット買い(特定預かり)を利用しているのはいざ売りが殺到した時、店頭に並ぶのは大変かと思い、電話でも売ることが出来る特定預かりと、現物買いを半々で遣っています。結局、現物を売る時は、店頭ですが。
    解らないのは、特定預かりを其のままにすると不都合が生じるのでしょうか。
    お教え頂ければと思います。
    売る時に大変でも現物を持って居るべきか、ご教授、宜しくお願い致します。

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