2025年7月15日
イーロン・マスクの首切りは最大の失敗
トランプは戦後最高の大統領ですが、最近では自滅を始めています。
今日はこのお話をいたします。
トランプが立ち向かっている重要課題は2つです。
❶ディープ・ステイト(世界に混乱を起こさせることで利益を得ようとする既成勢力)との闘いに勝利する
❷破たん状態にある米国政府を立て直す
このために力を発揮してきたのがイーロン・マスクです。
- 当選への功績
トランプが大統領当選を決めたのは、イーロン・マスクのおかげです。
イーロン・マスクは、30歳の時、大抜擢されて、国家偵察局の長官になっています。
国家偵察局は、アメリカの最高度の軍事スパイ衛星を動かしている最高軍事機密の国家組織です。
トランプは2020年の不正選挙で負けました。
ディープ・ステイトは、選挙期間中、トランプ、バイデン両候補の支持率を大接戦として報道させました。
本当は圧倒的にトランプ優位だったのです。
さらに、投票日には郵便投票のカウント数にごまかしを行い、バイデン票を大幅に増加させました。
これは後日バイデン・ジャンプと呼ばれるようになりました。
2024年、トランプはディープ・ステイトに同じ手口を使われないように、イーロン・マスクを起用しました。
具体的には、軍事衛星を用いて、投票日当日、不正側のデータやシステムを遠隔で破壊したのです。
このため、不正側の票数が伸びずにトランプは当選を決めました。
イーロン・マスクは当選確実となった夜に、トランプの隣に座って、当選の喜びを分かち合いました。
ひとことで言えば、イーロン・マスクはトランプにとっての大恩人なのです。
2.コストカットの功績
イーロン・マスクはDOGE(政府効率化省)のリーダーとなり、
大統領就任当日からFBIや CIAなどの16省庁に突入して、
ディープ・ステイト官僚のクビを切りまくりました。
これも彼以外にはできない功績です。
その結果、人件費や不要なプロジェクトの支出カットを進め、
最初の数か月で27万人の人員カット、2000億ドル(30兆円)を行いました。
- 対立の始まり
しかし、トランプは次第にイーロン・マスクと対立するようになっていきます。
最大の理由はトランプの現実主義とマスクの理想主義の違いです。
米国は破たん状態にあるので、2000億ドル(30兆円)程度のカットでは全く不十分です。
目標の1兆ドル(150兆円)カットにはまだまだでした。
しかし、支出削減はどこの国においても不人気政策です。
長官であるイーロン・マスクへの風当たりは強く、
「大統領でもない人間が勝手に政府を動かしている」という批判が相次ぎ、テスラの不買運動にまで発展しました。
トランプは自分への批判が及ぶのを警戒し、イーロン・マスクと距離を取り始めました。
マスクとしては、
「自分がトランプを大統領にし、最も難しい支出削減の舵取りを行っている。その自分を軽視するとは何事だ」と怒ったのです。
一般に、大統領が任命する国務長官、財務長官といった人物は大統領の意向通りに動く人間です。
率直に言うと、上司のご機嫌取りによって出世してきた人たちです。
一方、イーロン・マスクは自分の力量によって起業し、世界最高レベルの金持ちにまでなり上がった人物です。
命令に従うだけの仕事などできません。
イーロン・マスクは米国を立て直そうという意志に溢れた愛国者です。
そのために自分の人生を賭けています。
報道ではEV車の補助金が取り上げられていますが、イーロン・マスクにとっては何らの関心もないでしょう。
トランプ側からの報道です。
トランプが議会を通じて成立させた法案では今後10年間でおよそ3兆4000億ドル、
日本円にして490兆円余り、財政赤字が拡大するとの試算があります。
これはアメリカの議会予算局の試算です。
こうした経緯からイーロン・マスクはアメリカ党を立ち上げるとの覚悟を決めました。
庶民の多くは補助金が多いトランプ支持に決まっています。
一方、所得税などに苦しめられている上流層・中間層は税額カットにつながる支出大幅削減策に大賛成です。
このため、アメリカ党は金持ち層や愛国者、理想主義の人たちからは一定の支持を受けるでしょう。
また、既存の政党が全く機能しなかった政治状況を多くの人たちは経験しているので、
所得の多い人たち以外にもアメリカ党は支持を広げる可能性が高いです。
アメリカ党が議会で一定の議席を占めるようになると、トランプの政策は滞るようになります。
必要な時に適切な政策が打ち出せないリスクが生じたといえるでしょう。
米国株価が順調なうちはいいのですが、下落局面に入った場合、中小銀行の破たんや失業、
そのほか様々な問題が噴出するでしょう。
これらへの対応が遅れ、株価の下落は大幅なものになっていく可能性が高いです。
コメント
コメント一覧 (12件)
本当にトランプ氏とマスク氏は対立してしまったのでしょうか?選挙期間中よりあれほど強く連携していた関係であったのに。改革を進める中、もはや命が危ないとマスク氏がコメントしていましたが、ディープステートからの攻撃を回避するための二人の演技のような気もするのですが。何か密約があるような。しかしアメリカ党を立ち上げましたからね。あのレベルの動きの本質を見抜くのは本当に難しいですね。
僕は両者の対立は何かのパフォーマンスなどではなく、
本当に思想の食い違いによって起こってしまっているものだと考えています。
何にせよ、これにより株価の下落はさらに早まっていくのではないかと僕は見ています。
米国発リーマンショックを超える恐慌が近づいているようですぬ。
私は、ディープ・ステイトというのは、陰謀論のたぐいの「闇の組織」みたいな話と思っていましが、
>世界に混乱を起こさせることで利益を得ようとする既成勢力
と捉えると、当人の認識に関わらずある程度のアメリカ社会の傾向ということかな?と思いました。
私の見ている日本の報道で知る限り、トランプvsイーロン・マスク、そしてトランプ支持者というのは、「どうしようもない残念な人達」みたいな捉え方になりますが、
どうやらもう少し、違った角度で捉える必要があるようですね。教科書的ではないモノの見かたが必要ですね。
かと言って、私の器では、陰謀論との区別が付きません。ウ〜〜ン。。。( ´Д`)
何が、誰が正しい事をやっているのか、しようとしているのか、正直判らなくなってしまいそうです。どちらにしてもトランプさんの政策が行き詰まるという事でしょうか。
関税政策の例を見ても分かるように、簡単に言えば米国はもう破綻状態で、少しでもお金がほしくて足掻いている状態です。
本当は債券を発行したいけれど、先のコロナでアメリカは既に債券を発行しすぎました。
それで、世界の投資家たちがこんなに債券を発行して大変だ、と危機感を募らせて、米国債を売り始めたわけです。
米国債が売られるということは、金利が上がるということです。
これで、打つ手が無くて関税政策という流れです。
ですのでやはりこれから債権価格が下がる、ドル価格が下がる、そして株価も下がっていくという流れになっていくと予想しています。
モスクワが『トランプ政権は、共和党内に蔓延るネオコンの賛成を得ないと法案が可決できない難しさを抱えているのは理解できる』と述べていたそうで、減税法案を通すにも与党内のネオコンとの取引が必要だし、イスラエルの富豪の献金に支えられて来たシガラミもあって、イランの核疑惑に関しても、イスラエルに配慮して核施設を攻撃せざるを得なかった政権運営の難しさがありそうですね。
イーロンマスクがツイッターで指摘したように『エプスタインのリストをいつまで経っても公開できないのは、トランプ大統領自身も載っているからではないか?』と云う疑いも、あながちデマカセではないように思っています。
ネタニヤフ首相が署名で着席するとき、後ろで浮かない顔で椅子を引いていたトランプ大統領を見たとき、『もしかしたら、モサドに弱味を握られているのではないか?』と云う可能性も感じました。
モサドと言えば、昔のアイヒマン逮捕劇の話にワクワクした覚えがあります。今でも、世界屈指の優秀な諜報機関のようですね。( ◠‿◠ )
林先生がおっしゃるようにマスクの首切りは、大きな失策でしょうね。彼は類い稀なパワーと能力の持ち主ですからこれまで通り上手く利用するべきです。大型減税法案も通したことでアメリカ経済の立て直しにも注意信号がついたのでは?最近TACOという造語もマスコミを賑やかしています。
来年の米中間選挙、民主党には強力な対立候補みつからないのでおそらくトランプ勝利となるでしょうが、そのおかげで日本マーケットも当面振り回されるのでしょうか⁇
イーロン・マスクが国家偵察局の長官だったというのは事実と異なると思うのですが、情報のソースはどこでしょうか?
イーロン・マスクの細かな経歴については
公には公表されていないはずです。
特に、情報部隊にいた話は内密になっています。
これについては副島隆彦のサイトが詳しいです。
ありがとうございます。確かにこの記事にはそう書いてありますね。
https://snsi.jp/kouhou/%E3%80%8C%EF%BC%92%EF%BC%92%EF%BC%90%EF%BC%94%E3%80%8D%E3%80%80%E5%89%AF%E5%B3%B6%E9%9A%86%E5%BD%A6%E6%9C%80%E6%96%B0%E5%88%8A%E3%80%8E%E6%96%B0%E3%83%BB%E3%83%89%E3%83%AB%E8%A6%87%E6%A8%A9%E3%81%AE/