2025年6月18日
タイでの価格は暴落
今日はタイの大麻についてお話します。
ポイントは、「解禁で価格が暴落した」という事実です。
タイでは2022年6月に大麻の使用禁止が解禁されました。
ただし、個人での輸出入は厳禁で、見つかった場合は死刑も課されるほどの厳しさです。
国内で吸うのは解禁されました。
今では大麻販売店が各地にオープンしています。
都心部の駅周辺では駅から徒歩5分以内に10軒くらいの販売店があります。
図表1のような看板を出しています。

カエデのような葉っぱが大麻販売店の印です。
図表2のようなポップがあちこちに見受けられます。

注目してほしいのは、解禁後の価格です。
図表3です。

大麻の価格はいったんは1グラムあたり650バーツまで上昇しましたが、
その後下落に転じ、2024年8月時点では400バーツを割り込んでいます。
販売店の数が増えるほど、競争が激しくなり価格が下がっていきます。
価格が下がれば、今まで吸わなかった人の中にも、「吸いたい」と思う人が出てきます。
需要が大きくなれば店がさらに増え、価格競争から値段が下がっていきます。
多くの産業で言えることですが、潜在的な供給量の方が潜在的な需要量より大きいです。
一言で言うなら、「自由化とは価格低下だ」ということです。
「大麻は人体に悪影響はない、タバコより安全だ」と言われ続けてきたのに、
大麻は長い間解禁がなされませんでした。
その最大の理由は何か?
大麻を扱ってきた人たちの利権を守るためだと言われています。
具体的に言えば、暴力団などの違法なビジネスに手を染める人たちの利権です。
政治家と暴力団には切っても切れない関係があり、通常、政治家には暴力団からの上納金があります。
しかし、世界的な大麻解禁の流れの中で、カナダ、オランダ、スペイン、米国、メキシコなどが自由化、規制緩和を行い、タイもその例外ではなくなりました。
こうして、政治家の資金源がまたひとつ減ることになりました。
大麻解禁を行ったのは、利権とは関係のなかった新しい政治勢力だということです。
コメント
コメント一覧 (10件)
> 潜在的な供給量の方が潜在的な需要量より大きい
なるほど!
これの例外が、ゴールドという訳ですね!!
ゴールド価格に期待、期待。
・・・ゴールド買わなきゃ! ( ◠‿◠ )
投資家タマゴン 様
本日も鋭い視点でわかりやすく解説して頂きましてありがとうございました。ゴ-ルドは特にデ-タ上や紙上での取引き中心で、実物の存在は本当に少ないと考えられますね。これから信用不安が世界中で起これば、とても小さいな市場なので需要と供給から実物資産の価値の上昇ははかりしれません。
ライオン様
お褒めの言葉ありがとうございます。(^◇^;)
戦前は日本でも大麻は庭に生えてたと聞きます。薬にもなるし、丈夫な衣服も作れる万能草だと。生命力が強いから、日本ならどこでも生えるそうです。日本で解禁したら育てたいです!
ゴールドはどこでもというわけにいきませんね。鉛から分子1個とかまだまだ貴重な存在。ゴールドの成長が楽しみです。
・・・金貨を庭に植えて、「金のなる木」に育たないかしら( ̄▽ ̄)
投資家タマゴン様
それは期待できませんが、盗難防止のため保管場所としてはかなり期待できると思いますよ。
・・・裏の畑でポチが鳴いていました。掘ってみたら、大判・小判がザック、ザック・・・とならないかなぁ〜。(^◇^;)
投資家タマゴン様
「猫に小判」の「ことわざ」がありますのであまり期待できないと思いますね。
今年1月にタイに行きました。
庶民の生活の店や屋台。バザールには観光客もいっぱい来ます。ビックリしたのは、普通のカフェに大麻が安価で飲めるのです。本当にお茶のように。テラスのテーブルで外国人たちは気楽に飲んでいました。
始めて飲んで、常習かされていく人もいるみたいです。
日本人からしたら怖い話です。
これが、やくざの資金源、政治家の上納金。
需要と供給。闇のような世界でもしっかり構築されている仕組み。
大麻解禁が良いか悪いかは分かりませんが、そんな時代に自分の資産、生活を守る。
本当に真剣に考える時代です。
ご参考までにある記事を紹介します。
朝日新聞GLOBE+:世界のいまを伝えるウェブメディア より
https://globe.asahi.com/article/15108129#:~:text=%E5%A4%A7%E9%BA%BB%E3%81%AE%E7%89%B9%E5%BE%B4%E3%81%AE%E4%B8%80,%E3%81%AA%E3%81%84%E3%81%A8%E3%81%84%E3%82%8F%E3%82%8C%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B%E3%80%82
前略
依存性と有害性
依存性と乱用
(1)依存性
大麻の特徴の一つは依存性である。しかし、アメリカ国立薬物乱用研究所(NIDA)によれば、コカイン使用は15%、アルコールは20数%、タバコは30数%が依存症に結びつくが、大麻の場合は約9%と意外に低い。
また禁断症状も大麻の場合は、他の薬物よりも重くないといわれている。さらに世界保健機関(WHO)によれば、大麻使用じたいは急性死亡とは関係がない。
THCには鎮痛や筋弛緩、抗うつ、制吐などの他に陶酔作用もあり、多幸感や開放感を生む。過度の薬物や特定の薬物による快楽は、法や社会が許容する喜びの範疇を超えるものがあり、これが厳しい規制の理由となっている。
大麻の身体的依存(離脱症状)は、アルコールやタバコと比較するとわかりやすい。
この三つの薬物は依存症を引き起こす可能性があるが、アルコールの離脱症状が最も深刻である。アルコールの離脱症状は、依存症の程度にもよるが、アルコールを止めてから数日から数時間以内に始まる。落ち着きがなくなる、震える、吐き気や嘔吐、不安、心拍数の増加、頭痛、不眠、ひどい場合は妄想、幻覚、発作などがあり、治療を受けないと命にかかわることもある。
タバコの離脱はそれほどではないが、イライラ、渇望、抑うつ、不安、認知・注意力低下、睡眠障害、食欲増進などが生じる。これらの症状は、最後のタバコを吸った後、数時間以内に始まることがある。症状は禁煙開始後数日でピークに達し、通常は数週間以内に治まるが、数カ月間続くこともある。
これらに対して大麻の離脱症状はアルコールの離脱症状のようなことはなく、医学的に危険なものでもない。タバコに似て、怒り、不安、イライラ、抑うつ、不眠、胃腸症状、食欲減退などの離脱症状があり、一般的にこれらの症状は数週間以内に治まる。
私たちの社会は薬物依存症という重大な課題を抱えているが、そのほとんどはアルコールやタバコ、市販薬などの合法的な薬物によるものである。
しかも現在の医学的知見からすれば、これらの合法薬物の方が全体として大麻よりも危険なのである。禁止される薬物とそうでない薬物の違いは何かが問題なのである。
(2)乱用
乱用の可能性についても、大麻はアルコールやタバコとは異なる。
タバコは一般に社会的乱用とはほぼ無縁である。家庭や職場で(分離喫煙が守られているなら)対人関係を決定的に損なうこともなければ、法律上の重大な問題に発展することもあまりない。
他方、アルコールは社会的乱用につながる可能性が高い。禁酒法時代、アルコールが非合法化された主な理由は、家族に壊滅的な影響を与え、アルコール依存症患者が雇用を維持するのが困難になり、普通の生活を送ることができなくなる可能性があるからだった。
これらに比べて大麻の精神作用そのものは、アルコールのように人生や家族を破壊するものであることはない。これは大麻がアルコールと違って、一般に使用者に攻撃性をもたらさないからである。
ただし、大麻を合法化している国や地域では、大麻を使用した状態での運転などの危険な行動は禁じられている。
嗜好用の大麻が合法化された日、大麻を提供する人たち
嗜好用の大麻が合法化された日、大麻を提供する人たち=2018年10月、トロント、ロイター通信
有害性
大麻の法的地位については、日本を含めてほとんどの国でまだ違法である。司法の世界では、昭和60年に最高裁が、規制の根拠としての大麻の有害性は「立法事実」あるいは「自明の事実」であると科学的根拠もなく断定して以来、法廷での大麻の有害性についての議論は封じられている(最高裁昭和60年9月10日決定、最高裁昭和60年9月27日決定)。
しかし最近の研究によると、大麻の大量使用、とくに長期にわたって摂取した場合、統合失調症やうつ病の発症リスクが高まったり、使用者の記憶力を低下させ、さらにわずかではあるがIQの低下を引き起こす可能性があるなどといわれている。この影響は、大麻を使用する若年層に特に顕著に現れるようである(そのため、大麻を合法化する国や地域は成人のみを対象としており、未成年に対する譲渡や施用については日本よりも厳しく罰している)。
大麻の犯罪化に反対する立場も、もちろん大麻にこのような害悪がないとまで主張するものではない。根本的な問題は、成人がみずからの自由な意思によって大麻を摂取した場合に、それを処罰する根拠は何なのかということである。
アルコールに関して言えば、急性アルコール中毒での搬送件数は年々増えており、大学生や新成人の一気飲みで命を落とすケースが毎年発生している。また、アルコールの常飲はさまざまな臓器に悪影響を及ぼしているが、とくに肝臓病はもっとも高頻度で生じる病気である。
また、対人関係の重大なトラブルの原因になったり、暴力的な犯罪行為の原因になったりもしている。しかし、成人のアルコール摂取はもちろん犯罪ではない。
タバコに関してもそうである。依然としてタバコは循環器疾患や呼吸器疾患などの重大な原因になっており、1日にタバコ1箱を吸う者の4分の1は非喫煙者に比べて人生の15年以上を失っているといわれている。しかし、これを犯罪の問題として捉えずとも、タバコの害は広く認識されてきており、喫煙人口は確実に減少しているのである。
日本は大麻の生涯経験率が1%台と低いので刑罰による威嚇が第一次抑止に役立っており、逮捕や処罰が治療につながるといわれている。今回の改正に関する国会審議においても、大麻使用者を刑事司法に乗せることによって「治療につなげる」狙いがあるといわれた。
しかし一度手を出すと、薬物乱用のサイクルから抜け出せないかのような説明やキャンペーンは、酒好きの人がすべてアルコール依存症にならないように、明らかに不適切である。
かつて大麻は1961年の麻薬に関する単一条約(単一条約)で科学的根拠もなく「麻薬」に分類され、モルヒネやヘロインなどと同じように中枢神経を抑制して感覚を鈍らせ、依存症になる可能性も高いといわれてきた(60年代に入ると大麻は若者を中心に広く普及し始め、「意識を拡張する」薬物として支持されるようになった)。
しかし上記のように、大麻の依存率は他の薬物に比べてかなり低く、しかも圧倒的多数の使用者に「治療」の必要性があるかどうかは疑わしい。そうだとすると、かれらを検挙して刑事司法に乗せる根拠は何なのかが改めて問われるべきである。
後略