一歩進んだ損切り

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損切りで自分の資産を守る

今日は「損切りを臨機応変に行う」というテーマでお話しします。

チャートの見方にやや慣れてきた人ならば簡単にできる対処法です。

損切りの原則は8%です。

仮に100円で空売りが成立した場合、

108円まで株価が上昇してしまった場合、損切りを行います。

ところが、これは原則であって、柔軟に対応して良い場合があります。

それが図表1に示す日立(6501)の例です。

2025年4月30日、日立は、前日時点での50日移動平均線価格が3640円でした。

30日にこの価格を割りました。

空売り注文を発注する場合は、3640円の逆指値(信用売り)で注文を出すことになります。

この場合は、ストップ注文でもストップリミット注文でもOKです。

仮に、この注文が当初の価格通りに約定した場合、損切りはこの価格の8%上で発注します。

これも逆指値注文ですが、ストップ注文のみです。(ストップリミット注文は用いません)

価格は3931円になります。

ここまでが原則です。

しかし、チャートの読み方にやや慣れてきた人は柔軟に対応することができるようになります。

それを示したのが図表2です。

この株は30日の前日に3864円の高値を付けています。

この価格は空売り価格の6.2%上です。

この価格を超えて株価が上昇した場合、短期での上昇トレンドが始まるという解釈をすることができます。

一般に、6%~8%の間で損切り価格を下げて、リスク削減を行うことは悪い方針ではありません。

逆に、前日(またはその前)の高値が4000円だった場合は、損切り幅が9.9%となってしまい、

原則の8%を超えてしまいます。

この場合は原則通りの価格で損切り注文を発注してください。

損切りは、あくまでも自分の資産を守るための行為であって、

相場の流れを読むための行為ではないからです。

なお、「自分は常に原則を守りたい」という考え方も素晴らしい方針です。

また、今回紹介した柔軟な対応を行うことも、それに劣らずにいい方法だとお伝えしておきます。

コメント

コメント一覧 (6件)

  • 林先生、ありがとうございます。デイトレでの空売りは、ダメでしょうか。7014名村造船所の場合、1日の間に上がって、下がって、あがるという、パターンが、多いので、その日高くなって下がって来たところで、高値より少し上で、逆指値をして、空売りをしかける、というのはどうでしょうか。実は、これ、余程の集中力と、確信が、ないと、いつもチャンスを逃して、残念ということが、多かったですが、上手くいけば、買いと売りが、できて良いのでは、と勝手に思っています。林先生の、おかげで、こういう誘惑で、画面に張り付くことで、時間を使わない、ように仕様という考えになってきました。

    • デイトレについては、長い間統計を取って検討したところ、
      あまり儲かることがないということが分かりましたので、お勧めしていません。
      機械的売買法では、当日買って翌日売るという方法を用いています。
      この場合は、非常に短い期間でのトレードですが、
      日をまたぐという意味でデイトレにはなっていません。

  • 実践的な解説をありがとうございます。
    とても参考になります。
    下記解説において、ストップ注文、ストップリミット注文について、なぜそのようにするのか、考え方等の詳細をお教えいただければと思います。
    ストップ注文、ストップリミット注文については、一応理解しているつもりです。

    空売り注文を発注する場合は、3640円の逆指値(信用売り)で注文を出すことになります。
    この場合は、ストップ注文でもストップリミット注文でもOKです。
    仮に、この注文が当初の価格通りに約定した場合、損切りはこの価格の8%上で発注します。
    これも逆指値注文ですが、ストップ注文のみです。(ストップリミット注文は用いません)
    価格は3931円になります。

    • エントリー(仕掛け)注文の場合は、注文が成立してもしなくても、大した問題はありません。
      仮に、自分が注文をしようとした価格から、一気に大幅に下がってしまい
      その後、その価格まで戻らなかった場合、ストップリミット注文では、注文が成立しないことになります。
      この場合は、せっかく執行しようとした空売りが、執行をすることができず、機械損失が生じてしまうのですが
      これは、実際の損が生じるわけではないので、大した問題ではありません。
      簡単に言えば、儲けられなかったというだけのことです。
      ですから、1円でも高く売っておきたいという希望がある場合は、ストップリミット注文を用いるほうが望ましいです。
      これに対して、損切の場合は、必ず、損切注文を成立させなければなりません。
      これは、実際に損が乗じているからです。
      この場合は、1円単位の価格を惜しむことではなく、売り欲そのものをなくすことが目的なので、必ず、成り行き注文を用います。
      すなわち、ストップリミット注文を用いるということになります。

  • 私の損切ルールは買値(売値)の8%ですが、8%が勿体ないと思う時、直近高値、前日高値(直近安値、前日安値)を使うことがあります。ボラテリテイが大きいときは8%を使います。発注時に損切値を決めてから同時注文を入れます。

  • 私はデイトレで空売りをしてました。
    日によりますがデイトレで十分利益に繋がる時もありました。(当日決済)
    が、やはり限界を感じて今は銘柄に依っては制度(6ヶ月)を選択する時もあります。
    気持ちに余裕が出来ますね。
    でも2〜3日中には決済してます。
    証券会社のシステムによる違いはあるのかと思ってますが……?

池田隆良 へ返信する コメントをキャンセル

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