米国の関税:株価暴落を助長

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現状打開のために仕方がない政策

今日はトランプ大統領の関税政策について、ぼくの見解を述べます。

一言で言えば、非常に悪い政策であり、今後、株価の下落を助長することになるでしょう。

元来、人間には得意不得意があり、得意なことをするのが良いに決まっています。

口下手な人に営業をさせたり、不器用な人に大工や料理人になることを強要したりしても、

うまくいくはずがありません。

反対に、人間関係の得意な人が営業を行い、手先の器用な人が大工や料理人になれば、

お互いにとって幸せです。

それが国家間で起きているのが今の国際経済です。

各国は自国が得意なものを安く生産することに力を注いでいます。

その結果、自国で作るよりも、外国で作ったほうが安くて品質の良いものができるのであれば、

輸送コストをかけてでも輸入しています。

反対に、自国が得意な分野では、世界各国への輸出が可能です。

この考え方は、それぞれの国が自国の強みを生かせる素晴らしい発想なのですが、問題点が一つあります。

それは、「得意な分野が限られている国には立つ瀬がない」ということです。

それが、今の米国で起きていて、労働者が余っている現状です。

米国では、半導体、インターネット、AIといった特定の分野を除けば多くの分野で、

海外競争に勝てる製品やサービスがありません。

このままでは米国がさらに劣勢な立場に置かれてしまう(失業者が増える)という憂慮から、

トランプ大統領は、高関税の導入を決めました。

しかし、歴史的に関税が国の繁栄をもたらした例はありません。

図表1にあるように、米国では大恐慌の際に関税を引き上げました。

不況が深刻化するなか、「これ以上、失業者を増やすわけにはいかない」と輸入品の関税率を引き上げたのです。

1929年の約40%から、1933年には約60%まで大幅な引き上げを行いました。

この結果、労働者が救われたというのかといえば、全く違います。

ダウ平均株価は約90%下落してしまい、関税引き上げ前は5%程度だった失業率は25%となってしまいました。

関税引き上げによって、物価が上がり、消費が衰えてしまい、不況がさらに深刻化してしまったからです。

同じことが今後の米国で起きるでしょう。

では、トランプ大統領には、そうした過去の事例が頭に入っていないのか。

それは違います。

トランプは最優秀とも言える経営能力を持っていますから、その程度のことは、熟知しているはずです。

それにも関わらず、関税政策を取り始めた理由は何なのか。

それは、今後米国の失業率が急速に高まっていくのをひしひしと感じているからでしょう。

今の時点で労働者の働き口を増やすことが、喫緊(きっきん)の課題となっています。

「将来起きる問題(価格の上昇⇒消費の減退⇒企業収益の悪化⇒失業率の増加といった経済サイクルの悪化)

については、後で取り組めばいいだろう」と考えているわけです。

一言で言えば、米国はそこまで追い込まれているという言い方ができます。

将来のために悪い政策だとわかっているのですが、現状打開のためにはやめられない政策だということです。

コメント

コメント一覧 (11件)

  • 米国の自動車関税で大きな影響を受けそうな日本ですが、ある試算によれば、その影響はGDP−0.08%程度と聞きました。

    そんな程度なら、大した問題ではないように感じましたが、暴落を助長するのであれば、そちらの方が、日本に対する影響が心配ですね。

  • 関税を上げることで近視眼的には労働者の雇用を守ろうとしても、実はインフレを招いて国民が財布の紐を締めることで、不況を誘発する、景気は悪化するということですね。

  • 〉得意不得意があり、得意なことをするのが良いに決まっています。

    おおっ!昔習ったリカードの比較優位とか言うヤツが、初めて腹落ちしました。

  • 今盛んに非難されてるマスクの大ナタやトランプの(場当たり?的)発言などバイデンはじめ今までのツケが如何に酷いか(待った無し、背に腹は〜)のあらわれか?と想像はしてましたが 米国どころか欧州それに日本(日本は多くの外国債券国家ですが?)が悔しいですがBRICS諸国に 世界は大混乱? 何か世界大戦(有り得ない?と思いたい)を予感させる
    我々個々人にはなすすべ無し 更に金の価値が
     理解できました

  • トランプ大統領の経済政策が全世界に及ぼす影響は甚大すぎます。
    特に資源が無く食料品も輸入に頼っている現状でこの先の日本はどうなるのか?
    凄い不安な気持ちに苛まれます。
    さいごの砦はやはり「金」なのでしょうか?

    • 金投資はとてもおすすめです。
      なぜなら金はこれから4倍になる可能性があります。
      タイミングは、少しずつポジションを増やしていくのがいいです。

    • 空売りはゴールドの買いに比べて難しいですから、
      実力が伴ってから始めるのがいいです。今すぐに始める必要はありません。
      空売りで儲ける期間はこれから2 3年におよぶでしょう。
      その間何回も空売り銘柄で儲けることができます
      金投資から始めていただくことをおすすめします。
      大暴落のスタートは今すぐではありませんが、それが近づいていることは確かです。

  • 入会したての者です。
    ここ当面米国株、日本株は下げ基調と考えて良いのでしょうか?
    今リストに基き数銘柄空売りしてます。
    国際情勢の変化で反発の要素があれば注意しますのでご教示願います。

    • 日米株式市場は横ばい圏といった動きでしょう。
      本格的な下げ相場には入るのはほんの少し先になると考えています。

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