~事務が煩雑でできないだろう~
政府が将来、金地金を没収するリスクについての質問が相次いでいます。
ぼくは「没収はない」と回答しています。
1933年にフランクリン・ルーズベルト大統領が庶民の所有する金(ゴールド)を取り上げる政策を実施しました。この内容については、下記の注の通りです。
今後同じようなことが起きるのではないかと心配する方々がいます。
ぼくが「没収はない」と考える理由は、事務の煩雑さです。
預金を取り上げるのは、簡単です。
各銀行に命じて、口座別の預金残高表を提出させます。
コンピュータに命令を書き込めば、国家の所有に早変わりします。
執行するのに多少の時間はかかるでしょうが、多数の人手がかかるということはあり得ません。
これに対して、金(ゴールド)を没収するには、各税務署や、市町村に窓口を設け、
そこに提出させなければなりません。
本物かどうかの検品も必要です。そのための機材や作業スタッフも必要です。
多くの人員に対して、仕事の流れを説明し、ダブルチェック体制を築き、管理責任者を置くなど、大規模な組織が必要になります。
1933年の米国には、コンピュータシステムはなかったので預金を没収するのも、ゴールドを没収するのも、手間はそれほど大きな差異がなかったかもしれません。しかし今では手間の煩雑さは100倍以上違います。
ワープロの便利さを考えると、合点がいくでしょう。
ぼくは小中学校でたくさんの漢字を習いました。
何度も書くことで記憶していったのですが、ワープロの登場で書く機会がなくなりました。
毎回思い出す煩わしさからは解放されたのですが、自力では一気に書けなくなりました。
ちゃんと覚えている漢字は自分の名前くらいです。
同じように、コンピュータ操作の便利さに慣れてしまった現代人は、ひとつひとつ細かい作業を繰り返すことはできなくなっています。煩雑な事務処理は現代ではできないと思って問題ありません。
しかも、ゴールドの没収が行なわれるとすれば、それは金融危機が荒れ狂う中で実施されることになるでしょう。
その状況下で、大規模な組織を築いていくことは事実上無理であると考えるのが正しいと思います。
国家は私たちの金保有を把握していない
多くの皆さんが正しい認識をしていない事実があります。
それは税務当局は「私たち各人が保有するゴールドの量を把握していない」という事実です。
私たちが田中貴金属などでゴールドを買えば、その事実は把握しているかもしれません。
しかし、その後、その人が他人に渡したり、紛失したりしているかもしれません。
それは把握していないのです。
国家が「金没収を行う」と発表した途端に、多くの人が、「実は紛失していました」と言い出すでしょう。
「嘘だ!」と反論することはできません。
金持ちは昔から金(ゴールド)で蓄財することを進めてきました。
それは金が一番安全な方法だと知っていたからです。
一番リスクのある方法は、紙幣での蓄財です。
蔵の中に紙幣を蓄えた金持ちはいません。皆さんも金持ちに習って金(ゴールド)で蓄財するのが賢いです。
ただし、地金を買うには一定の資金が必要です。
手数料を考えると1回あたり50g以上の購入になるでしょう。現在の価格は80万円です。
こうしたことから、少額の投資家にはETF(金の果実、コード1540)をお薦めします。こちらは14,000円未満から投資できるからです。
1933年4月、米国のルーズベルト大統領は市民が所有する金をすべて買い上げる大統領令を発しました。まず、この時期に注目してください。大恐慌のあとの株価が大底に近い時期でした。政府の信用が低かった時期です。
価格は1オンス20.67ドルでした。違反者には最高で禁固10年、1万ドル(現在価値で1800万円)の罰金を科しました。その後、1933年10月から米国は復興金融会社による国内産の金の買い上げを開始し、11月からは連邦準備銀行にも海外からの金購入を始めさせました。その際、日々価格を吊り上げていきました。
こうした取り組みが一段落した1934年1月には金準備法を制定し、固定価格を35ドルに引き上げました。金価格が1年足らずで20.67ドルから35ドルになったのですから、政府は1年で69%の利益を得ることになったのです(当時の金は固定価格で取引されていました)。
コメント
コメント一覧 (7件)
そう言えば、
小生のバアさんは戦時中、オクニを信じるまじめなジイさんに促され、持っていた貴金属はすべて供出したそうです。
挙げ句の果てに、空襲で2度も自宅を焼け出され、疎開させていた財産は着服され、
ほぼすべての財貨を失ったそうです。
そんな時代がまた来るのか!?
ちょうど昨晩、【経済9】国家の倒産 を学習しました。
「背に腹はかえられぬ」
・・・それを言っちゃぁおしめえよ(寅さん風)。
やっぱり金の現物ですね!!
いつもお世話になっております。
今の経済、政治情勢では何が起きても不思議ではないなと思うように成りました。
将来、パンデミックが起こった時にETF(金の果実、コード1540)は 金そのものを保有するのではないので、 やはり金の現物を高くても買っておく方が 安全なのでしょうか。
話の主旨と逸れてしまいますが…
ルーズベルト(フランクリンの方)はやはりとんでもない野郎!!(主に悪い面で)だという思いが改めて強くなりました。
真珠湾攻撃を事前に掴んでいたが、ヨーロッパ戦線への参戦に消極的だった国内世論に火をつける為にそのまま放置した(*)説がありますね。ハワイに居た自国民を見殺しとは!
事実なら、おー!コワイ、コワイ。
*主力空母等は湾外にシッカリ退避させていた