~日本政府が裏で操っている~
2024年12月23日、ホンダと日産自動車は、経営統合に向けて、本格的な協議に入ることを発表しました。
最近では統合案破たんの話も報じられています。
今日はこの真相についてのお話をいたしましょう。
両社は持ち株会を設置した上で、それぞれの会社を傘下に収める形で経営統合を行おうとしています。
そして、2025年の8月に持ち株会を上場する計画です。
2月5日の段階では、日産をホンダの子会社にする案も出ています。
現時点では統合中止の方向との観測が出ています。
「この背景で動いているのは日本政府であろう」というのが、ぼくの見立てです。
なぜそうしたことを感じるのか。
これは日産のこれまでの歴史を見ればわかります。
❶日産をルノーから取り戻した
日産はルノーの子会社となり、最大で43.4%の株をルノーに握られていました。
「これをぜひ奪還したい」というのが日本政府の意志でした。
このために用いたのがカルロス・ゴーンの逮捕です。
カルロス・ゴーンを2018年の11月に逮捕し、ルノー社に対して、
日産から手を引くようにと圧力をかけたわけです。
用済みとなったカルロス・ゴーンは、日本においておく必要がありません。
2019年3月に保釈し、12月に国外逃亡を許しました。
具体的には、カルロス・ゴーンは
プライベート用の小型ジェット機に音楽機材を乗せ、その箱の中に隠れて海外に出たのです。
「プライベート機の場合、中身をチェックする場合としない場合とがある」とマスコミ報道がなされていましたが、
これは嘘でしょう。
たまたまカルロス・ゴーンを乗せたプライベートジェットの荷物をチェックしなかったとしたら、
それをしなかった(カルロス・ゴーンの逃亡を見逃した)空港責任者は厳しい処分を受けるはずです。
ところが、処分の話は全く聞こえて来ませんでした。日本政府の意向だったからです。
このようにして、2023年には日産のルノー持ち株比率を15%にまで下げることに成功しました。
しかし、問題はまだ残っていました。日産の業績が芳しくないのです。
❷日産を日本の会社にしておきたい本音
株価を見ても2015年を天井に下落基調にあり、同業のトヨタと比較すると、
大きな格差が生まれていることがわかります。
今期上期(2024年4月~9月期)は、前年同期比で経常利益がー72%となっています。
前年の2024年3月期は、比較的好調だった年度ですが、1株利益は111円でした。
これは2018年3月期の191円から比べて、低水準にとどまっていると言えます。
しかも、その後日産は2020年3月期、
21年3月期とそれぞれー172円―115円と大きな赤字(EPS)を計上しています。
「このままでは、日産の自立は危うい」と判断した日本政府はホンダに働きかけて、経営統合を実現させたのです。
会見の席で、マスコミから、「日産のどこに惚れ込んだのか」という質問を受けたホンダの社長は、
苦笑するばかりで、それに回答することができませんでした。
結婚したい相手ではなく、結婚させられた相手だったからです。
なぜ政府がここまでして経営統合を目指したのか。
それは、家電製品の歴史を見れば明らかです。
1970年代、80年代において、日本の家電製品はお家芸であり、世界に冠たる製品を生産していました。
松下電器(現パナソニック)の他、三洋電機、シャープ、東芝といった家電会社が、群雄割拠していた時代です。
三洋電機はその後中国のハイアールに買収され、シャープは台湾の鴻海に買収されました。
東芝の家電部門は、中国美的集団に買収され、現在は東芝ライフスタイルという会社に生まれ変わっています。
つまり、家電製品で、日本の会社はパナソニックだけになってしまったのです。
日本政府としては、こうした状況をぜひ避けたいと考えています。
その理由の一つは、日産の生い立ちにあります。
日産という名前からわかるように、「日本を産む」と漢字で書いています。
これは、第二次大戦前に存在した日本産業コンツェルンが基本になっているからです。
このコンツェルンは15大財閥の中で、三井、三菱に次ぐ3番目の大きさでした。
しかも日産のコード番号に重要な情報が含まれています。それが7201です。
この01番というのは、各業界の代表銘柄になっています。
例えば、9901東京電力9101日本郵船といった具合です。
ですから、政府は日産をどんなことがあっても、日本企業のままにしておきたい
という意向を持っていたと考えられます。
日産の業績が悪く、ホンダは対等な統合には後ろ向きだと言われています。
そのため、日産子会社化という話が出てきました。
「統合したくないなら、やめたらいい」というのがごく普通の発想のはずです。
自分の意志でそうした選択はできないのです。
ホンダが子会社化の話をしたのは、日産が自発的に統合話から降りるように仕向けたいからでしょう。
報道によると、日産に対して、台湾の鴻海(ホンハイ)が近づき、
副社長から「日産を買収したい」という話があったように報じられています。
これはおそらく誤りであろうと思います。
自分たちの買収計画が明確に決まる前に、相手に自分の手の内を見せる馬鹿はいないからです。
もし、この話が本当であるとするならば、
鴻海の副社長は、日本政府の意向を受けた代理人であったということになります。
コメント
コメント一覧 (12件)
もし、日本の要請でホンハイに買収されることになれば、日産は買いになるんですか⁉️
ホンハイに買収されるというニュースが出た瞬間に、株価は大きく上がってしまいます。
したがって、日産を買うのであれば、その前になります。
ただし、実際に買収が行われるかどうか分かりませんから、これはリスクのある取引になります。
こうした銘柄には手を出さないほうが良いというのが、僕の結論です。
いつも先生の気づきは、凄いと思ってましたが、今回のホンダ、日産合併話が出た時に、ホンダマン達からのブーイングの凄かった事をお伝えします。うちの主人は、ホンダマンを卒業して十年以上経っているのですが、みべさんはホンダ最後の社長になるぞ、と。あまりにも、企業風土が違いすぎるので、合併は無理だと。企業風土で言えば、日産は三菱となら、合うと思います。
主人は特許屋さんで、ゴーンのコストカットが最大だったのが開発費で、日産はゴーン以降、特許がほとんど出ていない、これはボディブローの様に効いてくるぞ、と言ってました。
ハイブリッドが出せなかったのも、コストカットのせいだろう、と。EVでは、距離が走れず、しかも燃費が悪いので、アメリカで全く売れてません。
TV CMで『技術の日産』と流れると『技術の無い日産』だと、思わず洩らしております。
ま、そんな訳で、ホンダ卒業生は、皆、今回の話がお流れになり、ホッとしております笑笑
しかし、お流れになると分かっていたら、株を買ってましたが、国からの要請らしいと聞き、買えませんでした…
日産は、ゴーン以降に、特許数が非常に減っていると教えていただきありがとうございました。
こうしたところに大事な投資の視点があります。
今まで漠然とニュースを聞いているだけでしたが、日本の政府の思惑はそうなんだと違う観点から見る事ができるんですね。
林先生の気付きを聞けるので 興味深いです。
今後も、政府の思惑について できる限り分かりやすく解説をしてまいります。
なるほどなー、そんな裏事時様が、あったのか!、驚きべき林先生の洞察力、感服
世の中は、裏事情が結構あります。
例えば、病院で大きな不正が発覚するようなことがありますが、
その裏にあるのは医者と看護師の不倫関係だったりします。
不倫相手が、医者の先生憎し、病院憎し、という思いから
言ってはいけないことを口外するような場合です。
そんな先生の考察なんて全くもって思いもよりませんでした。
確かによく考えると、鴻海が日産を買う理由がないんですよね。シャープの時はアップル向けのディスプレイデバイスの技術が喉から手が出る程ほしかったんですよね。結局、アップルが選んだのはサムスンとBOEというオチでしたが…
鴻海は日産を買ってもシャープすらまともに再生できていないのに、日産なんて畑違いの会社経営なんてとても難しい事は彼らが一番よく分かっていると思います。
日産と日本政府の思惑が分かるとUSスチールと米政府の関係が推測出来ますが、此時、日本製鉄がUSスチール買収でどう働きかけていると日本製鉄の買いと考える事が出来ますか?
日本製鉄は売上利益とも直近の四半期がマイナスになっています。
また、株価の天井も、2024年3月です。
これは、その後の日経平均の値上がりに着いていっていないことを示しています。
こうしたことから考えると、日本製鉄の株を買うということは、どのような状況下であれ、現状では、ない という結論に達します。
イヤ〜カルロスゴーン国外逃亡に日本政府が!でガッテンが(余りに逃亡への対処が⁇⁈でしたから)今回(HONDAにマイナス要因?しかない)の統配合にはどんな裏での?…と思ってましたが 日本製鉄の件もやはり政府絡みですか? 売電いやバイデン元やトランプ氏の発言にも駆け引きと(裏で?…)一庶民の私には考え及ばぬこと 色々と情報有難う御座います