日本にインバウンドを呼ぶ秘策

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タイは旧正月の中国人取り込みが上手

1月29日から中国の旧正月(春節)が始まりました。バンコクに住むぼくは街中を歩いていて、「日本はもっとインバウンド客を取り込めるのでないか」と感じています。今日はその話をしましょう。

旧正月は中国最大のお休みです。長期休暇という観点から言えば、1月1日を前後にした日本の正月休みに似ているかもしれません。けれども、中国人の方がこの長期休暇を楽しみにしている度合いがより大きいのではないかと思います。

例えば、中国や香港の飲食店や百貨店では、通常、定休日がありません。年中無休なのです。しかし、「旧正月の間だけはお休み」という習慣があります。そのため、普段はなかなか長期休暇が取れない人たちも、この間は存分に休めるという習慣になっています。長さも7~8連休になることが多いです。

帰省に旅立つ国内旅行の人が圧倒的に多いですが、富裕層の中には海外旅行に出る人も多いです。2024年の旧正月には海外に出国した中国人は360万人だと言われています。

図表1に、実際に日本を観光した訪日客を見てみましょう。2024年1月には、269万人が日本を訪れています。この中で中国系(台湾・中華人民共和国・香港)の人数は全体の41%でした。

一方、その1年前の2023年の月平均においては209万人が日本を訪れました。そのうち、中国系の訪日客は35%でした。

このことからわかるのは、1月は訪日客数が多く、特に中国系が多いということです。

今度は中国人の立場から、旅行先のトップ10を見てみましょう。図表2です。これを見ると、1位がタイであり、2位が日本です。

僕はこの数字に違和感を持っています。何故かというと、北京や上海からは、バンコクより東京や京都の方が近いからです。日本が1位になってもおかしくありません。

では、なぜタイが1位なのか。バンコクに住んでいる僕から解説しましょう。

旧正月が近づくと、バンコクの商店街は、中国のお祭りムード一色になります。クリスマスの前から街のあちこちにツリーが出現するとの同じです。

図表3にあるような、赤いランタンが商店街のアーケードを彩ります。また、パンダのぬいぐるみが舗道脇のあちこちを飾り、龍のダンスショーも行われます。僕が住む地域のスーパーマーケットですら、店員全員がチャイナドレスを着て、旧正月を盛り上げています。

ぼくの住む街には中国人旅行者は、おそらく来ないような場所です。それでも、「国家を挙げて」といっていいほど旧正月のお祝いムードにあふれているのです。こうした地域には、自然と中国人が多く訪れることになるだろうと思います。歓迎されれば、人は嬉しいものです。

これに対して、日本ではそこまでの旧正月・中国人歓迎ぶりはありません。「おもてなし」の優しい心遣いという点では、日本に右に出る国や民族はないでしょうから、一度日本を訪れた外国人なら日本が好きになること間違いないとは思います。しかし、それでは日本に接したことのない人には通じない戦略です。

旅行・飲食・各種サービス業が旧正月ムードを盛り上げるようなイベントや催し物や服装、その他サービスを行えば、もっと中国人が集まるのではないでしょうか。

コメント

コメント一覧 (7件)

  • 日本は中国の人が土地を購入し だいぶ日本の土地が中国人の土地になってしまった。と聞いています。又中国の人は日本に来て 留学すると 奨学資金が無償になって返金しなくて良い との事 日本の学生は無償ではなく返金しなくてない との事おかしい ですね。

    • 海外からの留学生の中で、経済的に困窮しているものは、
      奨学金確保して無償過去とがあります。
      ただ、日本の学生についても、
      同じように無償の奨学金があります。
      その意味では平等のように聞こえますが、
      米国ではやや事情が違います。
      僕が留学した際は、外国人には奨学金がありませんでした
      。奨学金の受給対象は米国々民だけでした。
      日本の方が優遇度が高いですね。

  • 日本の人達は礼儀正しく 親切です。中国の人だけではなく全世界の人達にも変わりなく接しているように見られます。私も旅行で10数年前中国に行ってきました。食事は美味しく楽しかったことを思いだしました。中国の人に限らず外国の人達が 日本に来て良かった と感じるように 日本の良さを見て 知っていただきたいと思いました。

  • 偏見だと思いますが、自分の国の意見だけは正しいとの態度には賛成できません。マナーの悪さにはあきれています。なので、どうしても、心から歓迎することには抵抗があります。

  • ニュースで耳にしたのですが、中国からのインバウンドが増えた理由の一つとして、中国国内の半日ムードが一時期より弱まっているため、「日本に旅行に行ってくる」と言いやすくなっている、というものでした。納得してしまいました。

    • 半日ブームが弱まってるから、旅行ブームが大きくなる 全くその通りだと思いました。

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