本物の通貨金がまさる
金への投資と銀への投資どちらがいいのか。ジム・ロジャーズの銀投資推薦の話を受けて、皆様から、「金がいいのか。銀がいいのか。」という質問をたくさんいただきました。僕は、金投資がいいと考えています。
話を進める前に、金銀の価格の特徴をおさらいしておきましょう。図表1です。

- 金と銀は似たように動く。両者とも株価暴落時に価格上昇する傾向がある。
- 銀は価格上昇時に急激に上がるが、下がり方も急激になる。
- 銀は現時点では新高値にはほど遠い。金は史上最高値更新中。
こうしたことを踏まえて、ジム・ロジャーズは銀の方が金よりも値上がり幅が大きいと考えているわけです。
これに対して、僕は皆さんに金への投資を薦めています。その理由は、「急激な上昇時にうまく銀を手仕舞いするこができるか」という素朴な疑問にあります。
図表1と図表2を見比べながら話を進めます。異なっている点は、図表2は価格の推移が12ヶ月の平均価格だということです。図表(1か月の平均価格)1と見比べてみると、値段の動きが滑らかなっているのがわかるでしょう。

銀には二つのピーク時があります。一つ目のピーク(1980年代)では、図表1が39ドルがピークなのに対し、図表2では21ドルまでしか上昇していません。二つ目のピーク(2010年代)では図表1のピークが43ドルなのに対し、図表2では35ドルまでしか上昇していません。
私たちが狙えるのはせいぜい、図表2のピーク価格でしょう。ピークで上手に売るのは巧みなトレード技術が必要です。その場合、「現状から上がる値幅はそれほど大きくはないのではないか」、というのがぼくの見解です。
金が優れていると考える理由はもう一つあります。それが図表3です。

銀の場合、産業用途に使用されている割合は56%です。これに対して金は10%です。別の言い方をするならば、産業用途ではない宝飾や投資目的に使用される銀の割合が44%であり、金が90%になっています。
なお、プラチナにいたっては、自動車用途が40%、一般産業用途が29%で、合計69%が産業用途です。
株価が暴落し景気が減速すると、産業用途の需要は減ってしまいます。これを考えると、金の方が需要減が起きにくいのではないかと推定されます。
しかも、金価格が現時点で史上最高値を更新しているのは、本物のお金ゴールドに対する需要が高まっているからだと考えられます。つまり、多くの人たちが、「現在のドル紙幣や日本紙幣ではなく、本物のお金であるゴールドを持ちたい。」と願い始めているのではないでしょうか?こうしたことを考えても、金投資の方が優れていると僕は考えています。
コメント
コメント一覧 (6件)
ありがとうございます
以前資金の少ない時は全部金でも、お聞きしたと思い、金を買ってみました、後おこづかいを少しずつ、銀を、と思っておりました、でも今日のお話では少々難しいのかな、と思いました此からのご指導楽しみにしております。
川本さん
投資資金のすべてを金にするというのは
とてもいい考え方です。
もちろん銀でも悪くはありません。
金銀をたくさん持つことで
資産が何倍にもなりすよ。
金を買うにはどのタイミングが良いでしょうか?既に高値になっているので、、、。
福田さん
金は少しづつ買って
ポジションを増やしていってください。
去年の今頃も
金は高値になっていたと言っていたでしょうし、
一昨年の今頃も同じように思っていたでしょう。
きっと1年後にも
こんなに高い値段になって
もう買えないと思うはずです。
良い物はつねに高いと思っていてください。
いよいよ、金を買いたいと思いますが、少しずつ、というのは、500グラムの延べ板か、純金積み立て、あるいは、割高になるかもしれませんが、コインなど、もっと少しずつ、というのが良いのでしょうか?
よろしくお願いいたします。
金の買い方については少しずつという意味を解説しますね。
少しずつとは、例えば11月に100g買い。1月に100g買い、3月に100g買うといったように
期間を分けるという意味です。
買う対象が地金だったりETFだったりコインだったりしますが、
毎回同じでも何ら問題はありません。
タイミングを分けると価格がそれぞれに違うので。
リスク分散になるという意味です。