米国の雇用トレンドは弱いまま

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経済にも反作用の法則がある

今月発表された米国の雇用統計は25.4万人の増加となりました。3月に31万人増を記録して以来、10~20万人増という弱い統計数値が続いてきたので、今回の雇用増は勢いのある増加と言えるでしょう。

発表のあった10月4日は、雇用増を好感してNYダウが341ドル高となりました。しかし、翌取引日には398ドル下がりましたので、「喜びは束(つか)の間」だったことになります。

その理由は何か?

市場参加者の多くはこの雇用増を長期的な観点から見ていないからではないかと思います。コロナ収束以降、長期トレンドは「雇用される人数がしだいに減りつつある」というものです。図表1にその様子を示しました。

コロナ不況対策として、政府は大盤振る舞いの補助金を拠出しました。そのため、多くの企業が雇用を増やしました。一時は月当たり80万人増という大きなものとなりました。今世紀最大の増加幅です。

しかし、ここでは作用・反作用の法則が働いています。ある時期に企業が社員数の大幅増を行なえば、仕事に対する人数が満たされ、新規採用数を絞っても問題のない状態になります。

つまり、大幅増のあとには減退期(時には小幅増の時期)が来ることになります。これが経済上の反作用です。9月は確かにグラフが上がっているようですが、トレンドの範囲内です。雇用統計は今後とも株価にはプラスの影響をもたらさないでしょう。

コメント

コメント一覧 (2件)

  • 米国は今後、衰退する見通しになるのですね。
    ピムコハイインカムファンドを購入していますが、金に変えた方が良いでしょうか?

    • キムコハイイールドインカムファンドは、
      格付けのやや低めの会社に投資をすることで高い利回りを狙った商品です。
      景気が悪くなると、格付けの低い会社ほど企業業績が悪化するので、
      それに伴い債券価格が下落します。
      つまり、ファンドの元本がだんだん減ってきてしまうということになります。
      こうした銘柄は、こうした銘柄をやめて金にする方が
      ずっと安定した収益が得られると思います。

前川佑子 へ返信する コメントをキャンセル

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