業績がよくても買えない
「業績が良くても、買ってはならない株」というものはたくさんあります。今日はその一例をご紹介します。
10月8日、3086 Jフロントリテイリングが、半期の決算発表を行いました。とても良い数字です。直近の四半期は同期比で経常利益155%の増加となりました。図表1にあるように、過去4四半期とも30%を超える増益です。

この理由は2つです。
➊日経平均が上昇するにつれて、資産家がより豊かになり、百貨店をさらによく利用するようになっている。
❷円安の進行により、インバウンド需要が高まっている。
申し分ない業績なのですが、この会社の株を買うことはできません。その理由は何なのか。それは図表2のチャートに表れています。
一言で言うと、このチャートには魅力がありません。図表2には、赤線で、J.フロントリテイリングの株価を示し、青線で日経平均の株価を示しました。図表の左右半分ずつで大きく動きが違うことがわかります。

グラフの左半分は、J.フロントリテイリングが日経平均と似たように動いていることがわかります。これに対して、右半分になるとJ.フロントリテイリングの株価は、日経平均に劣後していることがわかります。特に問題なのは、2024年の7月以降の動きです。日経平均が大幅な下落をした際、この会社の株価も大きく下落しました。
そのあとに注目してください。日経平均が大きく戻ったにもかかわらず、当社の株価は、低迷したままだということです。これが何を意味するのか。
投資家は当社の大幅好業績を評価していないということです。その理由は何なのか。大幅な増益が永続に続かないであろうということに、投資家が気づき始めたのでしょう。
また、「景気がいいから業績がいい」というのであれば、宝石業界、旅行業界といったように他にも贅沢消費の景気敏感株はあります。「どうしてもこの会社でないといけない」という理由はありません。投資家はJ.フロントリテイリングへの投資から降り始めていると言っていいでしょう。
コメント
コメント一覧 (10件)
業績が良いとそれだけで安心して買ってしまいそうです。
学ぶことが多くて脳細胞が困っているようです。
渡辺さん
学ぶことが多いように思えるでしょうが、
チャートを見るということだけでも
相当先が開けます。
ここから学びの扉を開いていきましょう。
業績が良くても買えない株、理由はチャートに現れる、必ずチャートを確認する事。
三田さん
チャートはとても大事です。
これからもチャートの見方については何度も講義をしていく予定です。
好景気の波に乗っている株は要注意なのですか?
企業の強みが好景気による消費だからですか?
投資家に関心を持たれる魅力が必要なのでしょうか?
奥が深くて分析できません。
チャートを見て色々考えを巡らせる力が必要なのでしょうか
ハッサクさん
難しく考えないでくださいね。
日経平均と同様か、それ以上にあがている株が魅力的です。
下がっている株は投資家に見向きをされていない株です。
よく、材料出尽くしとか言う理由で、業績悪いのに上がったり、逆に業績良いのに,下がったり。皆さんは何をどう判断されているのでしょうか?よく、アナリストの期待値より,高い低いで上げ下げしたりしてますが。
この辺りがら摩訶不思議です。
小沼さん
簡単に言うと、下がり気味のチャートをの会社を買わないことが大事です。
下がり気味というのは、例えば日経平均が今4万円を超えて新高値付近です。
これに対して三年ぐらい前に高値をつけて、今株価が8割ぐらいまで下がってしまった会社は高値を抜いてないわけです。
こうした銘柄には魅力がないという考え方をとってください。
ありがとうございます。
最近の半導体株は、どう判断したら良いのでしょうか?
オランダ、台湾、アメリカの企業の業績、株価の動きに連動性なく、さらに、日本のそれは、下降傾向に見えます。オンリーワンで有名なレーザーは、完全に下降に見えますが、このまま下がりますか?いつ頃反転するのでしょうか?
レーザーを見る場合、魅力ないと判断した方がいいよいのでしょうか?
小沼さん
レーザーテックの最大の問題は業績が悪化していることです。
直近の4月から6月期の経常利益が233億円なのに対して、
前年が356億円ですから、大幅な減益になっています。
国内外の他の半導体会社が好業績なのと対照的な動きになっています。
こうした銘柄は保有すべき銘柄ではないと考えた方がいいでしょう。