直観と実態とは全く違う
10月、おでんの美味しい季節となりました。
ぼくがそんなことを言い出したら、「何を言っているんだ。おでんは冬の食べ物だ。12月とか1月とかといった寒い時に、家族で鍋を囲んで食べるのが一番美味しいんだ」と思う人が多いのではないでしょうか?

こうした反論を受けると、ぼくも同意したくなります。しかし、これは統計上の事実とは違います。図表1はコンビニエンスストア大手3社のおでんの売上を示したものです。セブンイレブンは2018年においては、9月が最も売上が上がっており、全売上の3.2%を占めています。2019年も同様で、9月の山が高いです。
ファミリーマートでは、2018年において10月が売上最高になっています。2019年も同様です。ローソンでは、2018年、19年とも8月ピークになっていますが、9月も健闘しています。
なお、ファミリーマートとローソンにおけるおでんの売上(全商品売上の中の割合)が低いのは、おでんの魅力がセブンイレブンに比べて低いからでしょう。それでも、ピークは秋の入り口になってるのは確かです。
夏の暑さが収まり、「さあ、何を食べようか?そういえば、長い間おでんから遠ざかっていたっけ。そろそろ食べよう」と人々が思うようになるようです。今年は夏が長かったので、今頃、おでんのピークが来ていることでしょう。
アイスクリームは暑いと売れない
こうしたことは、統計を実際に見てみないとわかりません。同じようなことは、夏の暑さと商品売上についても言えます。例えばアイスクリーム(外食用)。暑いほど売れると思ったら大間違いで、気温が25度程度が一番売れるようです。
気温が30度を超えると売上が大きく減ります。その理由は外出する人の数が減ってくるからです。同じことは、UVケア商品についても言えます。また部活動は30度を超えると中止となり、スポーツドリンクを飲む人も減ります。
蚊は夏を代表する生き物ですが、気温が25度から30度の間で最も活発に活動します。35度超えると木陰などの涼しい場所に隠れてしまい、わざわざ暑い場所に出てくることは少なくなります。このような理由から蚊取り線香の売上も気温30度までがピークとなります。
自分が実体験から、「こういうことではなかろうか」と思っていることが、実態と違うことがあります。結論に飛びつく前に、統計数値をよく見ることが大事です。
コメント
コメント一覧 (2件)
人や虫にも、25〜30度が快適に,ある程度過ごせるようですね。ここ数年の猛暑、この先の温暖化影響など考えると、30〜35度が当たり前になりそうです。となると、売れる商品群も何か変わって来るのでしょうかね?
今年の夏は何が売れたんでしょうかね
小沼さん
夏の暑さが長引くようになると、秋が短くなってしまいます。
すると、秋物の売り上げが減ってくるようになるでしょう。
日本は春秋といった季節が結構長いのですが、例えばニューヨークでは春や秋は2週間くらいしかありません。
したがって、春もの秋物の商材はほとんどありません。
仮に日本の夏が長引くようになれば、日本でもこうしたことになってしまうかもしれませんね。