8月28日に決算を発表したエヌビディアの株価が冴えません。28日終値125.61ドルから29日117.69ドルへと6%の下落となりました。
この理由は次の2つと考えられます。
➊2024年5~7月の3か月間の一株当たりの利益は前年同期比で170%上昇しています。170%はかなり大きな伸びですから、この成長を好感して翌日は株価が上昇するのが普通です。
翌日の下落は前四半期との比較にあります。前四半期(2024年2月~4月)の伸び629%からすると、相当の落差があるということです。市場はこの落差を嫌気したのでしょう。
また、下図にあるように、エヌビディアの業績は半導体需要の波によって大きく上下に振れてきました。このことから、伸び率が低くなったことを「業績が長期低下方向に入った」と考える投資家の売りが出た可能性もあります。
エヌビディアのEPS | ||||
前年同期比 | 前年同期比 | |||
2020年1月 | 66% | 2023年1月 | -52% | |
2020年4月 | 130% | 2023年4月 | 28% | |
2020年7月 | 11% | 2023年7月 | 854% | |
2020年10月 | 46% | 2023年10月 | 1274% | |
2021年1月 | 52% | 2024年1月 | 763% | |
2021年4月 | 107% | 2024年4月 | 629% | |
2021年7月 | 276% | 2024年7月 | 170% | |
2021年10月 | 83% | |||
2022年1月 | 103% | |||
2022年4月 | -16% | |||
2022年7月 | -72% | |||
2022年10月 | -72% |
❷さらに重要なことは、エヌビディアが米国株式市場の主導株となっていることです。つまり、「エヌビディアが上がればNY市場が上がる」、「エヌビディアが下がれば市場が下がる」という構図が出来上がっているということです。
好業績にもかかわらず、エヌビディアは6月につけた高値に届いていません。これはS&P500指数が7月につけた高値を更新していないことに似ています。
一方、ダウ平均株価は新高値を更新していますが、これは30種の株価に過ぎません。一部の銘柄が買われているということがわかります。この中には主導株のエヌビディは含まれてはいないということです。
一部の銘柄が上昇し続け、多数の銘柄が取り残される事態が続けば、やがてNY株は天井となります。エヌビディアならびにS&P500が早めに新高値を更新するかどうかが注目点です。
エヌビディア保有者は売却が正しい投資方針
エヌビディアを保有している人から、「これからどうしたらいいのか」という質問が多数ありました。近いうちにS&P500は天井をつけるでしょうから、NY株式市場と似た動きをするエヌビディアは売却の方針で臨むのがいいでしょう。市場が下がり始めれば、業績好調株も同じように下がってしまうからです。その場合の下げ幅は市場以上に大きなものになるのが通例です。
コメント
コメント一覧 (1件)
エヌビディアの業績が長期低下に入った。エヌビディアが下がれば株価が下がる。市場が下がり始めれば、業績株も下がり始める。