2025年7月1日
株価下落の影響を受けにくい
ゴールド(現物価格)は今後とも力強く上昇していくと考えます。今日はこの理由を説明します。
➊中央銀行の買いは続く
第1の理由は、中央銀行からの買いが増えていることです。金価格の上昇は2022年央から始まりました。
図表1を見るとわかるように、中央銀行の買いがその大きな要因です。

2022年3月には全体の7%に過ぎなかった中央銀行の買いは翌四半期には35%に跳ね上がりました。
各国政府がゴールド投資に本腰を入れ始めたのは次のような理由です。
いずれ米国の株やドル債券が大幅な下落を始めるだろう。ドル基軸体制が崩壊するだろう。その際、ゴールドは最後の通貨として脚光を浴び、大幅な値上がりをするだろう。
この考えのもとに、長期的に金購入を行っているのが中央銀行です。
❷投資家需要はこれから本格化
第2番目は、ゴールドに投資をして金儲けをしようという投資家の需要です。つまり、私達のような存在です。
投資需要は、図表2に示す通り、直近の四半期においては全体の4割程度であり、それほど高くありません。

一般に、投資需要は値段が上がるほど増えていきます。過去の統計を見ると、需要全体の50%になることは珍しくなく、多い場合には60%を超えていきます。
現時点では、投資家のゴールドに対する過熱感がまだ大きくなっていないと考えられ、今後、金価格が上がるほど投資家は、ゴールド購入を前向きになるでしょう。
❸宝飾需要の減退は怖くない
今後のマイナス要因があるとすれば、宝飾需要です。株価が暴落すれば、それは不景気の始まりを意味します。不景気となれば、宝飾品にお金をかける人が少なくなり、ゴールドに対する需要が減ります。
実際、リーマン・ショックの際、株価が6割下落し、ゴールド価格は30%下落しました。これは宝飾需要減退のためでした
しかし、この要因は、今後のゴールド価格にとって大きなマイナス要因ではなくなってきました。
その理由が図表3にあります

2021年12月には63%が宝飾需要を占めていましたが、直近の四半期では、33%にまで減っています。つまり、全体に占める割合が既に約半分になっているのです。
にもかかわらず、ゴールド価格に決して大きな影響を与えていません。既に3割強にまで下がった宝飾需要がこれから減退するとしても、その影響度は小さくとどまるだろうというのがぼくの見解です。
これら三つの投資家別需要を総合して考えると、株価が暴落したとしても、その際に金価格下落に関わるような影響は小さくとどまり、長期的に金価格が上昇基調に続くと考えられます。
私達は引き続き金投資を続けていくべきであるというのがぼくの結論です。
この原稿は昨日配信した投資部LIVE会員向け動画の要約版です。
コメント
コメント一覧 (14件)
金の果実1540は、動きが遅く未だに100株14000台をウロウロしてます。何故⁉️
3ヶ月近く動きがにぶく、他の金に比べ動きが遅いのが、気がかりです、
中央銀行が買わないからじゃ無いですか?
中央銀行はやっぱり現物志向じゃないですかねー?・・・知らんけど。。。( ̄▽ ̄)
・・・ゴールド買わなきゃ。。。( ◠‿◠ )
確かにボラティリティが低くあまり旨味がないですよねー。
100株140万円分買っても動いても100円、1万円しか儲からない!
もっと大きく動く金の投資先はないのでしょうか?
金の先物取引を行えば利益は大きくなります。
ミニで百倍、通常の金で千倍の金額が手に入ることになります。
例えば、百円上昇した場合、ミニならば百倍の1万円の利益で、
通常の金の場合は10万円の利益です。
ただし、これはリスクが大きいことを頭に入れておいてください。
林先生ありがとうございます。
いつも的確な回答おそれいります。
これからもずーと林先生とつながりを持ちたいです。
林先生の金が2倍になる著書と、現在は4倍になるとご説明頂いたと思います。米ドルの発行量が増え続けて、金の価値が相対的に上がっているとの理解でよいでしょうか?
イラン、イスラエルの一時的な停戦状態が破られた時(ホルムズ海峡閉鎖とか)、金は過激な上昇をするのてわしょうか?
本日は、金の市場価格構成と投資家の投資状況の変化について学びました。
金の価格のピークがいつ来るか分からない市場で先制の指標で判断すれば良いと気が付きました。
しかし、価格の価格のピークから10%位っ核が下がった時のから現物の金を担保に
空売りを現物の1/3の量を掛けた場合、借金の日歩は何パーセントになりますか。
空売りが大量に発生すると、先物市場が取引制限をかけてきた時の対応が分かりません。
ご指導いただければありがたいです。
空売りを行う際の金利は1.2~1/4%(年利)です。
これは、売買代金に対してかかりますので
1000円の下部を200株売った場合は、売買代金が20万円ですから
この20万円に対して1.2~1/4%の金利がかかります。
これは、株を借りていることで生じる金利で、貸株業と呼ばれるものです。
信用倍率が近くなって(買いの株数に対して売りの株数の残高が拮抗するようになって)
さらには売り株数が買い株数を超えた場合、逆日歩が生じます
逆日歩は、状況によって異なってきますから
このような事態になった場合はただちに空売りをやめる必要があります。
その全段階として現在信用倍率が2倍を割っているような銘柄は、取引をしないほうが良いでしょう。
今後金価格が最高値をつけた後に、下落し価格が低迷するとのお話でしたが、金を処分せずに持ち続けることは、リスクになりますか?
金は売り時を逃すと、次のチャンスまで約30年は金を持ち続けないといけないのがリスクと言えます。
金は過去に、1980年1月に850ドルという高値をつけました。
ここで手仕舞いを逃すと、以降の金価格はどんどん下がり続け、
再び850ドルを抜くまでに28年もかかってしまいました。
ただ、今回の金の売り時では僕が皆さんに連絡をするので安心してください。
明快なご回答、ありがとうございました。今は、田中貴金属の金積立を行なっており、スポットでも、金を購入し預けてあります。今後、地金に替えようと思っていますが、売却するならこのまま預けておいた方が良いでしょうか?
いつもお世話になっております。
新夕 芳澄です。
場違いな質問とは思いますが、ご相談させてください。
昨年の春に、有名な政治経済評論家が募集した、日経先物ファンドに資金を投入しました。
以下、時系列で・・・
①3か月で最低115%にする、とのこと。
②半年後、報告書で200%になった時、金貨(メープル)購入の誘いがあり、利益分で
5枚購入しました(アメリカの業者が保管)。
③現在の報告書では、金貨込みで270%となっているのですが、あまりにも話がうますぎる
と感じ、ファンドの満期を質問したら、1000%になったら、と回答が来ました。
④解約手続きの方法を質問したのですが、3週間も回答がありません。
・・・
資金を取り戻すには、詐欺対策を専門にしている事務所などに依頼すべきでしょうか?
他にも、具体的な手段があれば、ご教授願います。
これは、投資詐欺の可能性が高いです。サポートチームのものに相談してください。