日本人の勤労意欲は悪くない

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今日はマスコミの嘘について語ります。
「日本人は勤労意欲が低い」という調査結果が各種調査機関から出ています。今回紹介するのは、パーソル総合研究所グローバル就業実態・成長意識調査2022年のレポートです。これによると、働くことを通じて幸せを感じている日本人の割合がかなり低いことがわかります。

ここには多分に嘘が含まれているというのが、今日皆さんにぼくが訴えたいことです。

早速、具体的に統計を見てみましょう。
図表1を見ると、働くことを通じて幸福を感じる人の割合が最も多いのはインド人です。インド人は92.6%が働くことを通じて幸せを感じています。次に高いのがインドネシア人で、90.5%が幸せを感じています。

一番下にあるのが日本人です。49.1%しか幸せを感じていません。ここからわかることは、「日本人の勤労意欲が低く、他の国々の人々に比べて幸せでない」ということになります。

でも、これは本当でしょうか?
ぼくはこれまで海外何か国で過ごし、その国の人々たちの働いている様子を見聞きしてきました。それら、すべての国で得たのは、「日本人の勤労意識は他の国々の人々に比べてかなり高く、仕事を通じて自己実現をしている」という印象でした。

統計と、ぼくの個人的な体験との間に、あまりの差があります。それはなぜなのか。答えは同じパーソル総合研究所の資料内に出ています。それが図表2です。働くことを通じて不幸せを感じている人の割合です。

不幸を感じている順番に並べると、インド人が最悪であり、その割合は46.2%となっています。2番高いのがスウェーデン人で42.0%、3番台湾、4番シンガポール、5番タイという順番です。一方、最も低いのはインドネシアであり、次がフィリピン、第3位が日本人です。

この統計が意味するところは、「インド人は幸福かもしれないが、不幸を感じる度合いも大きい。一方、日本人は職場で幸福を感じないかもしれないが、不幸も感じていない」となります。

何だか変な結論なっていると思いませんか?
もしかしたら、インド人も日本人も似たような職場環境や労働意欲を持っているにもかかわらず、インド人はその中で幸不幸を感じやすく、日本人は感じにくいというだけなのかもしれません。つまり、感受性が違うだけなのかもしれません。

この話は、「最も嫌われるタレント・トップ10と最も好かれるタレント・トップ10との顔ぶれが似たり寄ったりだ」という話と似ています。タレントの知名度が高いほど、私たち一般人の中で好き嫌いの差がはっきり出てきます。つまり、タレントの好感度・嫌悪感順位とは知名度順位と同じような意味合いを持っているのかもしれません。

統計は嘘に満ちています。
統計を取る人は、最初から「ある種の結果を出そう」という目的意識があって、それに基づいて作ることが多いです。その証拠に、「日本人の勤労意識が弱い」という結果だけが、マスメディアで公表され、「不幸を感じている割合が低い」という部分については公表されないことが多いわけです。

私たちは騙されないように注意しながら、マスメディア情報に接するようにしましょう。

コメント

コメント一覧 (3件)

  • 2つのグラフで、日本では、1つは失業率が低く働けるのが当たり前、また2つ目では人手が足りず、会社への就業規則とう厳しくなり改善されてきているのも関係してますか。マスコミの情報を鵜呑みにしない様気をつけたいと思います。

    • 小林さん
      おはようございます。
      マスコミは政府に気に入られるようなコメントをします。
      どこの国のマスコミも似たような傾向があります。要注意です。

  • 本当のことは見えない!統計やニュースにはかなり恣意的なフィルターがかかっているものとして捉えていきたいと思います。
     林先生、今後とも貴重なお話、宜しくお願い致します

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