日米投資とは名ばかり

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2026年2月25日

米国に差し出す5.5兆円

先週発表された日米投資5.5兆円プロジェクトの中身は、日本のような属国がいかにひどい待遇を受けるかを示す良い見本です。

今日はこの話を深堀りいたします。

日本の取り分は1割

2025年7月、自動車関税引き下げの見返りとして、日米間で80兆円規模の対米投資が合意を得ました。昨年の日本の国家予算が115兆円ですから、80兆円がどれだけ大きいかがわかります。

2026年、2月18日に発表された対米投資の第1号。その規模は約5.5兆円です。報道で発表された内訳は、次の3つです。

・ガス火力発電(約5.1兆円)
・米国産原油の輸出インフラ(約3000億円)
・工業用人工ダイヤの製造(約900億円)

予算的にはガス火力発電が大半を占めていることになります。ただし、今回注目したいのは事業の詳細ではありません。
日米間の利益配分がポイントです。

米国メディアでは、
投資回収までは日米で折半、回収後の利益は米国が9割、日本が1割
という枠組みが語られています。図表1です。

こんな話は、日本人ならば誰でも憤慨します。事業投資は、「やってみるまで儲かるか損をするかわからない」性格のものです。最初から、「儲けの分け前は1割ですよ」と言われれば損は確定します。

正確に言うと、企業は想定される利益が投資額の10%を割り込むものには投資は控えます。間接人件費、本社経費、金利コストなどを差し引くと、10%の利益は数%に下がります。仮に10%の利益がプロジェクト全体で想定される場合、日米投資案件では日本側の利益は1%未満になってしまいます。

これでは投資をする意味はありません。

そのため、政府は米国の本音を否定するのに躍起です。「そのように固定された合意ではない」という趣旨の説明をしています。

そうした説明にもかかわらず、いくら探しても日本側の明確な要求などは政府の公式見解からは出てきません。公開できるまともな条件などまるで存在しない、もしくは、公開すると不都合がある。ということでしょう。

保身のための貢ぎ物

政府は「国民の利益」ではなく「自らの保身」のために動きます。

政府のトップは米国を怒らせたくないのです。米国のいう通りに貢いでいけば、地位が安泰だからです。米国の怒りを買った日本の過去の指導者たちが殺されてきた歴史を熟知しているのです。

儲けの少ない投資に参加する企業は存在しません。そこで、日本政策銀行が全額を投資するのです。税金です。これなら、参加を拒む企業はありません。

泣くのは納税者だけです。一般の庶民にはこうしたカラクリはわかりませんから、大きな批判が生じることはないだろうと、為政者は考えています。

コメント

コメント一覧 (5件)

  • 米国も一枚板ではないですし、中国も同様です。トランプもプーチンも、さらには習近平も、密かにめざす事で協働関係ではないでしょうか。メディアが出しているのは、所謂、影の政府と言われる既得権益側の意図することだけです。まともなメディアが公平な報道をする世の中に、早くなってほしいです。ウクライナ問題やエプスタイン事件の深い闇など、もっとしっかり日本で報道されるよう希望します。日本
    政府がこれらについて本当はどういう立ち位置でいるのか、知りたいです。

  • 林先生こんにちは
    私は林先生を通じてだけ、こうした国際政治の情報を受け取リますが、日本のどの辺りの階層までがこうした情報を手に入れているのでしょうか?例えば野党の議員などは報されないのですか?新聞や放送のメディアはどうでしょうか?アメリカの属国といえども、アメリカの打ち出の小槌のような属国です。アメリカは自立してほしいですね。

  • こんなに分かり易く説明されたものを見ることがないですね。
    私が読んでいる某インテリジェント筋では、このときの赤沢大臣は、総理の座しか見ていない(米国の言いなり!?)。
    高市就任からの4か月で日本円が下落し、海外評価は、THE TAKAICHI TUMBLE。対米ドルで11.3%下落、他の通貨に対しても軒並み下落。日本国内では、そんな話は出てこなくて、日経平均が、もうじき6万円になると大騒ぎ!?

  • 林先生の解説をする様な大手のメディアは権力の影響から逃れられないし存在できないのでしょう。しっかり自分で考える癖を身につけないといけないな、と思います。貴重な情報、ありがとうございます。

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