2026年1月29日
コロナ禍を下回る就業
米国の雇用環境は、コロナショック時よりもすでに深刻な局面に突入しています。今日はこの話を深堀りします。
図表1です。 ニューヨーク連銀が調査した「失業した場合、3ヶ月以内に再就職できる確率」の推移を示したものです。

赤線(コロナ期の水準)を確実に割り込んでいます。
2020年、世界経済が停止したコロナショックの際でも、この指標は45%近辺で持ちこたえていました。しかし現在は、そのコロナ禍の最低値をも下回っています。
当時、失業率は14%にまで上昇しました。現在は4.5%にとどまっています。失業率からみれば、雇用はそこまで悪化していません。失業率データは楽観的である一方、3か月以内の就業データはかなり悲観的です。
この中間に存在するデータもあります。それが図表2です。

これはカンファレンス・ボード(全米産業審議会)が発表している消費者信頼感指数(CCI)における「雇用への意識調査」です。
オレンジ色の線(求人が豊富と感じる)の急落ぶりを見てください。2021年から2022年にかけてのピーク時は55%を超えていましたが、現在は30%を割り込み、右肩下がりで落ち続けています。
同時に、青色の線(職を得るのが困難と感じる)はじわりと上昇し、20%を超えようとしています。
この2つの線が交差しようとしている現状は、過去の歴史において「景気後退」入りの直前に必ず見られた典型的なパターンです。
これらを総合して考えると、失業率悪化の方向は間違いないようです。株価は失業率に逆相関(失業率が上がると株価が下がること)がありますから、今後NY株価の下落が顕著になっていくでしょう。悪化が顕著になるには、数か月単位の日数がかかるものと考えます。
失業問題は単なる景気の波だけでなく、より根深い問題が関係しています。AI(人工知能)の成果が出始めているためです。そのため、人件費削減につながっているという見方ができます。



コメント
コメント一覧 (5件)
とてもわかりやすい図表、有難うございます。お陰様で自身の取組方を確認するうえで助かります。今年以降、着実に景気後退がやってきそうです。恐怖指数(VIX)の変化が気になります。$15を割ったときにシンボル(318A)を買い増ししてきたことが、「吉」と出ることを期待しています。$25で売り抜けられるよう先生のアドバイスを自身の売買ルールとしてその時を楽しみに待ちたいと思います。
テーマとは少し違いますが気になるので書きました。
米貿易統計は米政府機関の43日間に渡る閉鎖の影響で公表が遅れていましたが、ふたを開けると米11月貿易赤字34年ぶりの急拡大、AI投資で資本財輸入が急増、米商務省と国勢調査局が29日発表した2025年11月の貿易収支は赤字額が前月比94.6%拡大し568億ドル、伸び率は1992年3月以来約34年ぶりの大幅なものらしい。
NY株下落により、日本株下落が数ヶ月内に顕著なることを理解しました。
2月の米雇用統計の発表が近づいてきました。
先月の失業率は4.4%と若干の改善が発表されました。
しかし、この雇用統計の数字も今は懐疑的に見るようになりました。
(ADPとの乖離も酷いことから、都合の良い数字になるように計算して
発表しているのかと思って見ています。)
林先生が提示していただいた図1・2を見れば、今後の市況が決して
明るいものではないことがよく分かります。
複眼的に見ることの大切さを痛感します。
いつもお世話になります。
大荒れの金相場になってますが
先生の見方を教えて下さい。