2025年7月3日
ETFを眠らせておくだけではもったいない
ご存じの通り、ぼくは皆様に「金の果実」の保有をお薦めしています。
今日はこの活用法のひとつをお話しします。
「金の果実(1540、純金上場信託)を眠らせておくだけではもったいない」と考える人がいます。
金価格の値上がり益だけにとどまらず、「儲けを少しでも増やしたい」という人にお薦めです。
それが貸株です。
世の中には一般に、「株を空売りしたい」というニーズがあります。
人によっては、「1540(金の果実)を空売りしたい」と思うでしょう。
そういう人は証券会社から株(この場合はETF)を借りて、それを用いて空売りします。
証券会社は株(ETF)がないと空売りの需要にこたえることができません。
そこで、現在保有している人から株(ETF)を借りたいのです。
証券会社は借りた株(ETF)に対して金利を払います。
貸株を行った場合、現在の金利は0.1~0.2%です。
これに対して、空売り顧客に対して株を貸す場合(制度信用の場合)、3.9%の金利を取ります。
差し引き、3.88~3.89%が証券会社の手に入る計算です。
この金利は状況によって変化します。
1540の場合、貸借倍率は27倍ですから、
信用取引で株を買っている人の株数合計が売っている人の株数の27倍あることになります。
このような場合は、証券会社は皆さんから、「株を借りたい」というニーズは大きくありません。
だから、支払う金利は大きくありません。
しかし、金価格が上がってくると、
「高くなったから、そろそろ空売りをしよう」というニーズが急速に高まります。
貸借倍率は下がり、場合によっては1倍未満になるかもしれません。
つまり、空売りの方が空買い(信用での買い)より多い状態です。
その場合、証券会社は、「何としても株(ETF)が欲しい」という状態になるので、金利を吊り上げます。
私たちは長期で金の果実を保有します。
長い間売らないので、貸株は多少の収入源になるかもしれません。
リスクについても記しておきましょう。
貸株のリスクは、貸している間に証券会社が破綻することです。
普通に1540を購入した場合は、ETFは顧客の口座にあるので、
証券会社のバランスシートとは別勘定になっています。
証券会社が破綻しても影響はないのです。
しかし、貸株の場合は証券会社が借りている状態ですから、
証券会社のバランスシートの中に含まれてしまいます。
この場合、顧客の1540は戻ってこないリスクがあります。
実践的な考え方もあります。
証券会社が破たんするとしても、それは日経平均が2万円を割ってからでしょう。
それまでは安泰です。
日経平均2万円までの間、貸株を行なうというのはどうでしょう。
貸株は「少しでも稼ぎたい」というニーズにこたえるための投資戦略ですが、
その収益は大きくはないということも記しておきましょう。
仮に1年間貸株を行なうとすると、現在の貸株金利水準が続いた場合、
貸株100万円あたり1000円~2000円の収入です。
この程度の収益ならば、1日の値動きで十分実現します。
「だったら、できるだけ高い価格で売ることに執念を燃やして、
少しでもリスクのある日銭稼ぎはやめておこう」という考え方も成り立ちます。
また、貸株を行なっている場合は、その株は信用取引の担保には利用できません。
皆さんが「1540(ETF)を担保にして、空買いをしたい」というニーズがある場合は、
そちらを優先した方がいいでしょう。
さらにNISAで買っている1540についても貸株にすることはできません。
貸株を行なうか否かは皆さんの選択です。
貸株のリスクは大きくなく、いつでも即やめることができますので、
「ちょっとだけ試してみよう」という考え方でもOKです。
投資にはいろいろな方法があります。
それがわかるだけでも楽しいとは思いませんか?
コメント
コメント一覧 (1件)
昔、空売りして大きく損をしましたので空売りはもう怖いです。