たったひとつの動作が人を惹きつける
タイは外国からの旅行者にとても人気があります。
外国人は、タイのどんなところに魅力を感じているのかについて、
今日はぼくなりの考えを話したいと思います。
外国人が好む旅行先として、アジアの中では
第一位:中国
第二位:日本
に次いでタイは第三位です。
アジアには49か国(地域を含む)がありますから、第三位はかなり高い順位です。
2024年の統計によれば、外国人訪問者が日本へは3600万人だったのに対して、
タイへは3500万人でした。
人数的にはほぼ互角ですが、タイの人口は7000万人ですから、
7000万人の国に3500万人もの人が訪れているというのは、立派な観光立国です。
タイは英語でThe Land of Smiles(微笑みの国)と呼ばれています。
タイの国民が、外国人に微笑みで接し、歓待しているということになります。
けれども、タイのサービスのレベルが高いというわけではないことをお伝えしなければなりません。
わかりやすい例が、航空会社に対する評価です。
2024年のランキングによれば、JAL,ANAは上位にランクインしていますが、
タイ国際航空は、25位以下で選外となっています。
また、バンコクと羽田を結ぶ航空料金も日系に比べて、タイのエアラインの方が安いです。
(料金が安いのは嬉しいですが、価格はサービスへの対価なので、接客レベルが低いという意味です。下注)
では、タイのどこが最も評価を得ているのか。
写真にあるように、タイでは、あいさつは両手の手のひらを合わせるワイと呼ばれるタイの伝統的な方法で行います。日本で寺院などで手を合わせる、合掌のポーズを想像すればわかりやすいです。

この「ワイ」が大きく関係しているのではないかというのがぼくの見解です。
日本でもお辞儀をする習慣がありますが、ワイはとても丁寧な印象を与えます。
タイ人がワイの際に見せる笑顔が大きな好印象を添えるのです。
微笑みの国といわれる所以でしょう。
ぼくが地元のスーパーマーケットで、レジで支払いを済ませた後に、
「ありがとうございます。」と店員が言います。
ぼくもほぼ同時にありがとうございましたと言うのですが、
次から次へと客をさばかなければならない店員の中には、
このワイのポーズを省略してしまう人がいます。
そんなときでも、ぼくはこのワイのポーズを取って、お辞儀をします。
すると相手は「しまった。ちゃんとポーズをとらなくては」
といった表情を浮かべた後で、にっこりと、ワイを行うのです。
「道徳的に行うべきだ」という思考がタイ人の中に根付いているようなのです。
タイに入国してから出国するまで、このポーズを受ける立場になれば、相当心地よくなるのは確かです。
特にレストランでは、その傾向が強くなります。
高級レストランに行けば、入口からダイニングルームまで案内する人と、
ダイニングルームから席まで案内する人は違います。
メニューを手渡す人や、注文を取る人、さらに飲み物を持ってくるのも別の人が行います。
それぞれの人がサービスの最後にこのワイを行います。
何人ものスタッフから何度もワイを受けているうちに、
ゲストは、「とても大事にされた」という印象を持つでしょう。
もっともこれは労働力が比較的安いという条件下の中で成立しているということもあります。
私たちもタイ人を見習って、お辞儀の際ににっこりすれば、イメージがぐっと良くなるかもしれません。
なお、外国からの来訪者数を急速に伸ばしている日本については
後日、その理由をぼくなりに分析してお伝えします。
図:文中に出て来た航空運賃の比較
タイ国際航空: 112,908円
ANA 114,695円
JAL, 115,100円
注:カヤックにおける最低料金の代理店料金
2024年5月13日羽田⇒バンコク
2024年5月23日バンコク⇒羽田
昼間のフライト、エコノミー料金
コメント
コメント一覧 (1件)
私も微笑みはどちらかと言うと得意です。
その昔、「難波のペ・ヨンジュン」と名乗ったところ、周りから袋叩きにされました。
・・・微笑みの貴公子(自称)なのに。
( ̄▽ ̄)