~デザイン料が全体の半分~
金のネックレスは、投資対象として有効でしょうか?という質問が時々来ます。
「やめておきましょう」とぼくは答えています。
金のネックレスが投資対象として向かない理由は、デザイン料があまりにも割高だからです。
実例を一つご覧に入れましょう。
中古品売買大手のコメ兵での価格です。
202gの金ネックレス(K18)が、4,302,600円で販売されていました。
これはK18ですから含有量は重さの75%です。
これを考慮すると、このネックレスにおける金の含有量は151.5gです。
これを1gあたりの金価格16,000円(田中貴金属小売価格)でかけると、2,424,000円になります。
つまり、このネックレスが金の価値だけで取引されるならば、2,424,000円にしかならないということです。これは、現在コメ兵で売られている価格の56%にすぎません。
コメ兵は中古品を扱う会社ですから、このネックレスの新品価格は、さらに高いものとなるでしょう。
簡単に言えば、金のネックレスの価格の半分が純金価格であり、半分がデザイン料だということです。
このネックレスを購入する人が
「普段は金ネックレスを外出時に身につけ、いざという時にだけ純金として売りたい」
という非常手段として購入するのであれば問題はありません。
それは投資ではないからです。
しかし、投資対象としての考えを優先するのであれば、全く意味のない投資先となるでしょう。
全く同じことが“おりん”にも言えます。
おりんは、仏教で用いる法具ですから相続の際には相続税がかかりません。
そのため、購入する人が絶えません。
しかし、徳力本店の価格表を見ると、おりんには純金の3倍の値段が付いています。
例えば、おりんに含まれる純金が200万円とすると、販売価格が600万円となるということです。
節税をするために400万円の無駄なお金を使ってしまうことになります。
金製造業者は、こうした一般庶民の心理を出し抜いて、割高なおりんを買わせようとしています。
結論を述べるならば、金投資は地金・ETFに限定するのが最も賢い方法です。
ネックレスの重さ: 202グラム(K18)
ネックレスの価格: 4,302,600円
含まれている金の量: 151.5グラム
純金だけの価格: 2,424,000円
価格に対する純金比率: 56%
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