米国庶民の暮らし向き悪化中

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株価が新高値を更新する中、米国庶民は暮らし向きが悪化していると感じています。

図表1はミシガン大学が発表する米国消費者信頼感指数です。

この指数は消費者にアンケートをとり、「暮らし向きが良くなっていますか?悪くなっていますか?」という回答を求めます。「良くなっている」と答えた人の数から「悪くなっている」と答えた人の数を引いて、指数を作るものです。

これによると、2024年1月から悪化が始まっています。ダウ平均の1月の始値は37,600ドルですので、そこから株価は現在(40,800ドル)まで9%も上昇しました。4万ドル台に乗せたというのは心理的にも大きな効果(=将来に対する楽観)が生まれるはずですが、庶民はそのようには感じていません。

何故なのか?
長期でこの指標を眺めると、その理由が明らかになってきます。
指標の過去最高値は2000年でした。ITバブルで株価が最高だった時期です。その後リーマンショックが起こり、消費者信頼感指数は地に落ちました。株価はその後現在まで3倍以上になりましたが、消費者信頼感指数の回復は芳しくはありませんでした。

株価の回復がもたらす恩恵を庶民があまり受けてこなかったからです。わかりやすい言い方をするなら、この頃から株価(=株を持っている金持ち)と庶民の暮らし向きに大きな落差が出てきたということです。

その後、コロナ発生で、消費者信頼感指数は過去最低になりました。これは理解できるのですが、コロナが収束した後も指数は緩やかにしか回復していません。「ダウ4万ドルの史上最高値」という事実とはかなり異なった印象です。

金持ちと庶民の格差がさらに広がっているからです。

さて、この指数の悪化をどのように解釈するのか?
2024年1月から消費者信頼感指数が下げに転じたという事実からする、株価の天井も近いということが推察されます。経済を動かすのは一部の金持ちではなくて、庶民だからです。他の指数(失業率、小売り売上など)とも総合して見ていきましょう。

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