セブン&アイ(3382)を保有されている方には売り推薦をします。
理由:
買収提案が不成立に終わると考えられるから。
背景:
昨日カナダの大手コンビニ事業者アリマンタシォン・クシュタール(: Alimentation Couche-Tard、Alimentation=食品、Couche Tard=夜ふかし、コード番号:ATD.TO)からセブン&アイに対する買収提案がありました。
これを受けて、同社の株価は大幅に上昇、ストップ高となりました。(一般に買収提案があった場合、株価は大幅上昇します)
セブン&アイを保有している人は絶好の手仕舞いタイミングです。
何故か?
セブン&アイ側は提案を拒絶するものと思われるからです。
理由:
両社の事業にシナジーが少ないからです。セブン&アイの売上の82%はコンビニ事業によるものですが、アリマンタシォン・クシュタールは74%がガソリンの売上から成っています。同社のコンビニはガソリンスタンドが併設になっており、儲けの柱はガソリンです。別の言い方をするなら、客を呼び込むためにコンビニを行っています。コンビニ事業に対する姿勢が両社では全く違います。
しかもアリマンタシォン・クシュタール社は過去に2回もセブン&アイに対して買収提案を行っており、セブン側はNOの回答をしてきました。今回も同じ回答になるはずです。
アリマンタシォン・クシュタールがどうしてもセブンを欲しいと言うのであれば、高い値段を出せば買えないことはありません。私たちが買い物をする際に、安売り店では品切れだが、正規価格店では品物があるという場合は珍しくありません。
株式市場は生鮮野菜の「せり」と同じですから、高い価格をつければ競(せ)り落とすことができます。
しかし、アリマンタシォン・クシュタールにはその財務力はないでしょう。セブン&アイ(時価総額5.6兆円)を買おうとすると、最低は3割のプレミアムを払わないといけません。すると7-8兆円になります。アリマンタシォン・クシュタールの時価総額は8.5兆円程度ですから、それは体力的に難しいはずです。
チャートは売りを示唆
セブン&アイのチャートは日経平均に劣後するチャートになっています。
図表1です。

①史上最高値は2024年2月につけています。日経平均は2月以降も上昇を続け、史上最高値は7月につけています。つまり、セブンは5か月も早く天井をつけたことになります。
②日経平均は7月から大きな下落に見舞われました。その際に、セブンは前回の安値を割り込んでいます。安値の割り込みは今後の株価が弱いことを示唆しています。(これは昨日の気づきメールでお話した内容です)
こうしたことからセブンの保有者は絶好のチャンスと思って、同社株を手放すことをお薦めします。
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