ダウの横ばい圏はまだ続く

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投資家の売り逃げは始まったばかり

3月4日NYダウは、650ドル安の1.5%下落となりました。

皆様から、「米国株式市場は陰転したのか」という質問が多数寄せられていますので、

これについてお答えします。

ぼくの見解は「ダウ平均が弱い基調を続けていることは確かだが、まだ陰転はしていない」というものです。

今日は、この予測ついて出来高との観点から論じます。

図表1にあるように、相場が天井を打とうとする頃には、「売り逃げ」が起きます。

すなわち、天井圏では「これは危ない」と危険を予知する人が現れ、株式を売り始めます。

現象的には、株価の下落日に出来高が増えます。

一般的に、株価と出来高の関係は、

「株価が上がるか下がるか」「出来高が増えるか減るか」の場合の数があり、全部で4通りあります。

算数から考えると、前日比で株価が下がり、出来高が増える確率は25%です。

25%の確率で売り逃げが起きるのですから、

これだけで、「株価が天井圏になった」と推定することはできません。

しかし、過去5日間に3日の売り逃げシグナルが出た場合は話が違ってきます。

その確率は3.6%に過ぎないからです。(詳しくは論じませんが二項分布で計算します。)

実際、今年に入って、売り逃げ警戒シグナル(売り逃げ回数過去5日間のうち3日以上)が出た回数を

図表2で見ると、たったの1回に過ぎません。

株価が大きな天井を打つ場合には、こうしたシグナルが何回にもわたって出ます。

すなわち、このまま株価が下落してしまうのではなく、当面、横ばい圏で推移し、

売り逃げの発生が頻発する状況になるのではないか、と考えられます。

なお、過去5日間のうち、3日の売りシグナルを見るのが面倒だという人のために、

簡易的な方法をご紹介しましょう。

それは、トレーディングビューのチャートを見ることです。

図表3のように、緑の日足と赤い日足があり、

緑は株価が終値ベースで上昇している日で、赤は下落日となっています。

その下には出来高が記されています。

これも緑(株価上昇日)と赤色(下落日)がついています。

この出来高の中で色が変わるところ(緑→赤、赤→緑)に注目してください。

ぼくが最近の4日間にその印をつけました。

その4日のいずれも、株価が下落する局面では、出来高が減少し、

株価が上昇する局面では出来高が増えています。

この4日に関しては売り逃げが起きていないことが確認できます。

Nダウが陰転しないうちは、日経平均も陰転はまだだと考えてください。

近いうちに陰転するでしょうから、それを待って空売りを行なうのが正しい戦略です。

なお、トレーディングビューの使い方は動画で説明しています。

コメント

コメント一覧 (15件)

    • 現在、NYダウは陰転しておらず、売り逃げのシグナルも頻発していません。
      そのため、すぐに暴落が起きる状況ではありませんが、近いうちに陰転する可能性が高いです。
      なので、手持ちの株は整理するべきです。

  • 最近の株価の乱高下にも、心穏やかにいられるのも、林先生の講義に加えて、毎日の気付きを読まさせていただいているお陰です。
    1人だと、不安になり、いろいろ手を出しているかも知れません。
     これからの暴落には、1人では、更に不安になることでしょうか!

    また、数百人もの投資塾の仲間達とネット空間どすが、共感できるのも、何よりです。
    サポートスタッフにも感謝しております。

    • 石岡さん、温かいお言葉ありがとうございます。
      あなたが心穏やかでいられるのは、これまでの学びや気付きの積み重ねがあったからこそだと思います。
      確かに一人でいると、不安になることもありますが、あなたは一人ではありません。
      ぼくやサポートチーム全員があなたを支えていきますので、何かあればいつでもご相談ください。

  • 本日東京エレクトロン を3度安値を更新したと思い込み売りを賭けてしまいました早すぎました

    • 空売りを行うに、空売りに適した銘柄を適したタイミングで行うようにしてください。
      講座をしっかり学んでください!

  • いつも勉強になるお話をありがとうございます。
    私は3年前から配当狙いの米国株投資を始め、現在保有銘柄は配当をもらいつつ株価自体もそこそこ上昇しています。
    近く大暴落が来るとのことですが、利が乗っている銘柄でも今のうちに整理するべきでしょうか?
    ゴールドはゴールドで少なからず保有しています。こちらに移行しておくべきでしょうか?
    宜しくお願いします。

    • 現在の利を乗せた銘柄をどうするかについてですが、早めに整理して利益を確定させる方がいいです。
      ゴールドは今後も価格が上がると考えられるため、さらに比率を増やしておくことは非常にいい選択です。

  • YouTubeで面白い考察がありましたので、もし林先生のご意見がありましたらお聞かせください。
    アメリカは2025年に9兆ドル1400兆円の国債借りかえが必要になる。金利が安い時に借りた国債が満期となり、今の10年国債に切り替えるが、金利が4%台で高すぎる(利払いが膨大になる)。
    そのため、金利を1%位まで下げて国債を借り替えする必要がある。それもスタフグレーションにならない様に下げる必要があるため、株価の暴落を使うとのことでした。その方は9兆ドルの借り換えは今年の前半、別のサイトでは9兆ドルの7割が今年の前半と書いてありました。そうなると今月の日銀による利上げによる円キャリートレードの巻き戻し&相互関税で株価を暴落を利用して金利を下げる可能性もあるのかなと。(ここまで言われておりませんでしたが)面白い考察だなと思いましたので、書かせて頂きました。

    • トランプ政権は、どうしても株価の暴落を避けたい
      と考えているのではないかと思います。
      株価が暴落してしまうと、失業率が拡大します。
      それでは、米国の庶民の生活が困窮してしまうからです。
      ご指摘のように、国債の切り替えは大変な金利増となり、
      米国政府にとっては、危険な橋渡し綱渡りとなりますが、
      これを何とか実施していく以外に方法はないでしょう。

  • ありがとうございます。Yahoo!ニュースでは「過渡期がある」、「長期的に強い国家」をつくるとのっておりましたので、とりあえず短期的な暴落で金利を下げて国債を借り換える。その後に関税をかけているので、米国への投資で一気に回復を描いているのかなと想像しました。それにしてもスターゲート計画の発表付近でディープショック,暗号資産サミットの前の2月22日にハッカーが暗号14億ドル(約2,100億円)盗まれたのニュースの影響か,暗号資産サミットでは、税金による買い増ししないと発表。ことごとく出鼻を挫かれている様に見えます。さらにこの国債の借り換えのタイミングで各国が米国債を売ったら金利上昇でとんでもない利払いになりますよね。今年は本当に激動ですね。

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