~株価の本質的な動きを知ろう~
今日は中居正広問題に関連したフジTVの株価の動きについて解説いたしましょう。
この話を通じて株価の本質的な動きをご理解ください。
<経緯>
タレントの中居正広は女性トラブル(不同意性行為)を引き起こし、世間の大きな批判を浴びました。
この問題はフジTVが同社所属の女子アナとの2人だけの密会をセットしたことに始まります。
簡単に言えば、フジTVは、女子アナを献上したのです。
「フジTVは中居と同罪だ」と批判され続けました。
大手広告主は広告の差し止めを行うようになり、実際、広告枠の多くがACジャパンのものに変わっています。
世間のフジTVへの批判が収まらない限り、広告主は広告を出さないでしょうから、フジTVの大幅減益は確実です。
当初は関与を全面否定していたフジTV社長は、途中から態度を変え、
「第三者委員会を設置して事実究明に努める」と言い出しました。
これは「ごめんなさい。嘘を言っていました」と今更言えない場合の常套句です。
この会見も動画撮影を禁止し、質問を受けなかったことで大きな批判を受けました。
ここまでの話を要約すると、「中居もフジTVも世間の批判を大きく浴びる不正を犯した」ということです。
結果、中居は引退を余儀なくされました。
フジTVの株価はどうなったでしょうか?
これを見てみましょう。
・不正の株が上がる理由

図表1 にあるように、フジTVの親会社であるフジ・メディア・ホールディングスの株価は、
2024年12月19日、女性セブンが問題を報じた途端、下落基調となりました。
2025年1月9日まで17%下落したのですが、
その後、一転して上昇に転じ、1月23日には、2000円の高値を付けました。
(図表1は終値のつなぎ足なので、当日の高値は図表1には記録されていません。)
この高値は女性セブンの報道前の価格より高くなっています。
投資家は、「そんな不正は気にしなくてよい」と言っているようです。
フジ・メディア・ホールディングスは広告主離れが激しく、
単独での生き残りが難しいという憶測が流れています。
そこで、大手メディアによる買収も噂されるようになってきました。
これにより株価が上昇したものと思われます。
こうした株価の動きから学ぶことは2つあります。
株式を取引する場合は、買い・売りのルールに基づく
横ばい圏の株価の基本:「株価がうろうろする」こと
皆さんにお伝えしているように、取引のルールは、「買いは新高値」、「売りは重要な安値割れ」です。
当社の長期の株価を見てみると、現状の株価は新高値と重要な安値の中間に位置しています。
(図表1に記しています。)
買いポイントは、2024年の5月の最高値を抜けたところであり、
また、空売りのポイントは、2024年8月の安値を抜いたところです。
この両者にはさまれた価格帯にある場合、株価はどちらの方向にも動きやすい、「うろうろ」状態にあります。
別の言い方をするなら、当社は横ばい圏にあります。
横ばい圏を抜けない限り、株を買ったり売ったりする行為は慎まなくてはなりません。
“不正⇒即売り”という考えではいけないということです。
なお、当社の場合、最高値を超えた場合でも、「買い」にはなりません。
ファンダメンタルが不十分だからです。
図表2の業績の伸び(投資部システムによる表示)を見てみると、
2023年12月期以降の3か月決算については、1四半期を除いて、経常利益が1桁台の伸びになっています。

年度では、2023年3月期・2024年3月期とも振るわない決算です。
2022年6月期以前は青色がほとんどでしたが、その後は赤色が多いでしょう。
業績悪化の色です。
この点からは当社は最安値を割り込んだ場合は空売り適合銘柄になります。
それは日経平均が陰転した頃になるでしょう。
それでも、当社を空売りするのがいいかどうかは他社との比較の上、決めることになるでしょう。
多くの株がほぼ同時期に陰転し、「選(よ)り取り見取り」の状態になるからです。
コメント
コメント一覧 (4件)
切り口が素晴らしいです。
とても参考になります!
ありがとうございます。株の売買について、周囲の憶測や噂に流されず、投資部システムの活用を心がけファンダメンタルをもとに大切な投資資金の運用をしていきたいと思います。勉強になりました。
ありがとうございます。
これまでは「不祥事=急落」と主観的に決めつけていましたが、そうではないことがわかりました。
取引のルール、取引のルール、何度も唱えて腹に据えます