先週発表された米国の小売売上(実質)によると、8月はー0.4%でした。5か月連続でマイナスであり、前月のー0.1%から悪化しています。
米国民が実際に支払った小売金額(名目)では2.1%の増加でしたが、物価が2.5%上がっているので、数量ベースでは0.4%のマイナスとなったわけです。若干買い控えをしている状況です。

図表1を見ると、実質小売売上がマイナスに入り始めたのは2022年であり、その傾向が顕著になってきたのは2023年に入ってからです。
過去の株価(S&P500)と小売売上を見ると、小売売上がマイナスになると、株価が暴落直面に入ることがわかります。ITバブル崩壊時、リーマンショック時がそれにあたります。
ただし、若干の相違があります。過去の暴落時ではマイナス圏に入ると、ほどなくして株価が暴落していたのですが、今回はマイナス圏が長い間続いても、株価が上伸しています。
最大の理由はマネーのバラマキが史上最高に達しているからです。
小売売上は主に庶民の暮らし向きを示す経済データなのに対して、株価は金持ちの状況を示す経済指標です。2者の間に大きな差が広がっています。
しかし、最終的にはこの落差は株価が小売データの状況に近づくことで解消されます。解消とは別の言葉でいえば、「株価が暴落を始める」ということです。大多数を構成する庶民の力の方がごく少数の金持ちよりも、米国経済を動かす力が強いからです。別の言い方をすると、マネーの数量増だけでは経済の好調を持続することはできないということになります。
暴落開始となれば、今までの乖離が大きかったため、その規模は過去を超える大きなものとなるでしょう。
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コメント
コメント一覧 (2件)
株価の暴落、まだいろいろ把握できてませんが、ワクワクしてきました。昨日今日とニュースを見ながらも、裏を捉えながらスルー出来てる感覚です。元気たくさん頂きながら、冷静に進みます。ありがとうございました。
田崎さん
いろいろな事がだんだんみえてきましたね。
これからももっとみえるようになるでしょうから
楽しみがうんと増えると思いますよ。