リチウム電池が犯人
欧米各国でEV自動車の人気に陰りが出ています。EV自動車大手のテスラは業績不振となり、株価は2021年秋の天井から半分となってしまいました。ボルボとベンツは「2030年までに全面的にEV車に切り替える」との目標を打ち出していましたが、既に撤回しています。フォルクスワーゲンはドイツ国内の工場を初めて閉鎖することになりました。EV車の低迷が主要因だと言われています。
なぜEV車がここまで不人気なのか?
TV報道では、中国に押されているとか、EV購入に対する補助金が減少してきたのが理由だとか言っていますが、これは部分的な理由にすぎません。テレビやネットでは最も重要な理由を説明していません。その理由を説明してしまうと、多くのユーザーが、EV車を買わなくなってしまうからです。
その理由とは何か。
リチウム電池の問題です。
皆さんはリチウム電池のことでずいぶん悩んできているのではないでしょうか?例えばスマホだったら、2年か3年経つと、電池の寿命でバッテリーの性能が落ち、新機種に交換したくなります。また、ルンバのような自動型の掃除機は、リチウム電池が内蔵されていますが、これも日数の経過とともに、バッテリーが劣化して吸引力が弱くなったり、充電の必要回数が増えたりします。
その最たるものが、大きな機動力を要するEV自動車と考えてください。
具体的に言うと、EV車のリチウム電池の耐用年数は、一般的には、8年または16万キロの航続距離と言われています。おそらく現実的にはここまでの寿命がないのでしょう。
従来のガソリン車の20万キロ(15年程度)という耐用年数に比べてあまりにも小さいです。また、リチウム電池を新しいものに交換すると、テスラの場合では260万円かかるとも言われています。車のメンテナンスに260万円を払うのは、一般の消費者にはなかなかできないことです。安めの新車を1台買った方がいい、と思うことになります。そして、「EVはこりごりだ。やめた方がいい」と周囲に話すでしょう。こうした評判が広まれば、EV車が不人気になるのは当然でしょう。
今回のこの問題からもわかるように、ニュース報道では一番大事なところを隠して、報道することが多いです。そのために、自動車会社ですら、需要を読み誤ってしまうことになります。
私達投資家は、こうした報道に惑わされずに正しいことを見る目を養いたいものです。
コメント
コメント一覧 (4件)
林則之先生こんにちは
リチウム電池2年から3年ですよね。
例えばプリウスバッテリーと同じです。
ありがとうございました。
こんにちは
リチウム電池って本当に寿命が短いですよね。
筒井さんが感じているような問題があったら、ぜひこの場に書き込んでください。
こんばんは。
興味深いお話をありがとうございます。
私の周辺の方よりもEV車のバッテリーについて高価である話をよく聞きます。
ネット上の情報ですが、タイヤの消耗もガソリン車より早いと聞いています。
今後、バッテリーの安全性の確保と価格が抑えられれば、購入検討の対象になるのではと思います。
yamaさん
こんばんは
タイヤの消耗がガソリン車よりも早いというのは初耳でした。
この情報をお寄せくださってどうもありがとうございます。
また僕が知らないようなことをご存知でしたら、ぜひこちらまで書き込んでください。